ロンドンの、船上の鍼灸師の日記

2012年から客船で鍼師として働いていましたが、2017年からロンドンで治療家として働いています。治療のこと、クルーズのこと。色々綴っていこうと思います。ウェブサイトはこちら。https://www.junjapaneseacupunctureandshiatsuclinic.com/

つれづれ

土着のエッセンス

先日、イカゲームを患者さんの家でみせてもらった。エピソード1だけだったけど。 バトルロワイヤルに似てるらしいとか言われていたので、どんなもんなのかなぁと思った観たら、確かにそんな要素はあるかもなぁと思った。その一方で、韓国のアイドルに日本の…

技術を正確に学ぶために

末梢神経を緩めていく時に、A先生は体幹に近いところから緩めいくべきだといい、B先生は手足に近いところから緩めていくべきだと言う。2人ともすごく勉強をなさっておられて、セミナーもやっておられるような、著名な先生だ。 どっちが正しいのか。どっちも…

プロになってますやるべきこと

ある分野でプロになった患者さんがロンドンに来た時に来院された時に、運動量が5倍になったと言っていた。 捻挫をしたらしいけど、運動量が5倍になったということは自分の動きの弱いところに5倍の負荷がかかってしまうということになる。 その意味で捻挫は実…

末端を緩めて体癖を戻す

最近、「末梢から揺さぶりをかけて全身を緩めていく」「関節という制限の中で骨が自由に動く」ということが僕の施術における関心事になっています。 骨が身体の土台として存在し、関節は骨と骨とを繋ぎます。筋肉が骨と骨に付着する事で骨が動き、関節(及び…

海外で育つ日本人の日本語の現実

お題「わたしの宝物」 僕の娘はイギリスで日本人夫婦の元で生を受けました。 彼女は日本で生まれた親を持ちつつ、イギリスで育っていくことになります。父親(僕)はコミュニケーションは英語でできるけど流暢と言えるレベルからは程遠く、妻はこっちで育った…

日本に入国したい思い

12月中旬にイギリスから日本に3週間ほど一時帰国することにした。 世界中にいる日本人が今年の年末年始は数年ぶりに一時帰国していることだろう。一万五千人とかどうとかと聞いた。 そして、滞在先のホテルから色々な思いを持って、様々な方が文章を紡いでい…

子供がいると…

しばらくブログを書いていませんでしたというか、書けない日々が続いています。 前回書いたのが12月18日で3ヶ月ぐらい経つわけですが、何があったのかというと、イギリスのロックダウンです。 ロックダウン中ってやることがないのではと思われるかもしれませ…

リアリズムはリアリティから生じる。じゃあ治療というリアリティは?

蛤御門のヘンという角田龍平さんがパーソナリティをつとめるラジオで塩田武士さん(罪の声という小説が代表作)がゲストで出演されていて、平成天皇の肖像画を描かれた野田弘志さんの言葉を引用していました。(ラジオはポッドキャストで聞けます) それが「リア…

子供の初めてのあくび→アリクイはあくびで口を開けない

子供が初めてあくびをしました。子供が後ろハイハイをした時も、「おー!」って不意に子供の成長を感じることがあります。 掴まり立ちをしだしたこの時期だからこそ、頚椎の前弯がしっかりすることで頭蓋が背骨全体で支えられるようになったのかな。そういう…

身体の痕跡とテニス肘。私の身体観について

前回のテニス肘の症例からもっと全体的に補足というか考えていることを書こうと思います。 https://acupuncturistontheship.hatenablog.com/entry/2020/07/11/192454 手足には体がうまく使えているかどうかがわかる様々な痕跡があります。 パソコンを使って…

初めての渋谷らくご

お題「好きなシリーズもの」 渋谷らくごってご存知ですか? 初心者でも楽しめる「渋谷らくご」 僕はPodcastでずっと聞いてるんですが、そこがこの度、5月公演を初めてオンライン上でやるとのことで、オンライン寄席へ行ってみました。 これは新規のお便りが…

歯=重力と身体のコミュニケーション

‪子供の下の歯が生えた。‬‪骨棘のように重力と身体のコミュニケーションから逆つららのように生えています。‬ ‪重力に逆らってまで生まれたんだと思うと、体の位置情報としての骨ってやっぱり面白いなと思います。 上行結腸も身体の位置から考えるととても面…

戸愚呂弟の死と仙水の死の共通点 仙水編その4

お題「好きなシリーズもの」 お題「#おうち時間」 仙水と飛影はなぜ黒の章に興味を持ったか。仙水編1 - ロンドンの、船上の鍼灸師の日記 コエンマの霊界告発と仙水とグレタさん。仙水編2 - ロンドンの、船上の鍼灸師の日記 誰にでもある多重人格。幽白:仙…

誰にでもある多重人格。幽白:仙水編3

お題「#おうち時間」 お題「我が家の本棚」 前回までの続きはこちら 仙水と飛影はなぜ黒の章に興味を持ったか。仙水編1 - ロンドンの、船上の鍼灸師の日記 コエンマの霊界告発と仙水とグレタさん。仙水編2 - ロンドンの、船上の鍼灸師の日記 前回は仙水の…

コエンマの霊界告発と仙水とグレタさん。仙水編2

お題「好きなシリーズもの」 前回までの続きはこちら。 仙水と飛影はなぜ黒の章に興味を持ったか。仙水編1 - ロンドンの、船上の鍼灸師の日記 前回は仙水編のストーリーの説明と、仙水が変わるきっかけとなる黒の章になぜ飛影は惹かれたのか、また、その共…

フォークランド諸島のペンギンと「何もない」がある場所

お題「#おうち時間」 今週のお題「カメラロールから1枚」 前回のブログでは南極に行った話を書きました。 (リアル)南極でアドベンチャーワールド - ロンドンの、船上の鍼灸師の日記 前々回の仙水の話の続きは後々書きます。 仙水と飛影はなぜ黒の章に興味…

仙水と飛影はなぜ黒の章に興味を持ったか。仙水編1

お題「#おうち時間」 お題「好きなシリーズもの」 仙水編が書かれたのは1993年で僕は10歳でした。初めてこの漫画を読んだのは何歳か覚えていないのですが、10代の中頃から後半だったように思います。 初めて読んだ時は仙水編についてただ単純に面白…

遊助が否定した戸愚呂の価値観をなぜ肯定したのか 幽白その3

前回まではこちら。 幽遊白書その1、HUNTER×HUNTERとの性質の違い(主観) - ロンドンの、船上の鍼灸師の日記 遊助は何を守ったのか。戸愚呂に勝てた理由。幽白その2 - ロンドンの、船上の鍼灸師の日記 前回の最後に「妖怪となった戸愚呂が死を放棄するこ…

遊助は何を守ったのか。戸愚呂に勝てた理由。幽白その2

その1はこちら 幽遊白書その1、HUNTER×HUNTERとの性質の違い(主観) - ロンドンの、船上の鍼灸師の日記 そういう意味で、暗黒武術会以降の話、つまり戸愚呂編と仙水編、あと魔界統一トーナメント編は終わり方がいいなぁと思うんです。(HUNTER×HUNTERのキ…

幽遊白書その1、HUNTER×HUNTERとの性質の違い(主観)

僕が日本からロンドンまでわざわざ持ってきた漫画は6つあります。(もっと持ってくる予定ですが) 本棚にあるのが「陰陽師」「レベルE」「幽遊白書」「さよならも言わないで」「HUNTER×HUNTER」「ホムンクルス」です。半分が冨樫義博さんで偏りすぎだろうと…

ゴーストタウン化したロンドンと時間が増えたのに全く足りないと感じる自分自身と

ロンドンは今ゴーストタウンのようです。 先々週ぐらいから不要不急の外出はやめるように勧告が出て、今週からついに私が勤めているマッサージ、鍼灸施術を行うクリニックも閉まりました。 自営の治療も休まざるを得ない状況になり、ここ1週間近くは仕事をす…

鬱だったのかという時期を振り返ってー最終回。会社に復帰をして。

その1〜3はこちら 鬱だったのかという時期を振り返ってーその1。鬱から回復した人に鍼を受けたいか。 - ロンドンの、船上の鍼灸師の日記 鬱だったのかという時期を振り返ってーその2。鍼に出会うまで。 - ロンドンの、船上の鍼灸師の日記 鬱だったのかと…

鬱だったのかという時期を振り返ってーその3。会社を逃げ出したこと。

その1、2はこちら 鬱だったのかという時期を振り返ってーその1。鬱から回復した人に鍼を受けたいか。 - ロンドンの、船上の鍼灸師の日記 鬱だったのかという時期を振り返ってーその2。鍼に出会うまで。 - ロンドンの、船上の鍼灸師の日記 僕が務めていた…

閑話休題、雲ばかりのロンドンとオレンジのように太陽が眩しいバルセロナと

今、所用でバルセロナに来ています。 ここしばらく雨と曇りが続くロンドンからバルセロナに降り立った時、「あ、僕は太陽に浴びていなかったんだ。」と痛感しました。 この感覚は自分が意識的に感じるというより、本能というか無意識に味わうものでした。「…

鬱だったのかという時期を振り返ってーその2。鍼に出会うまで。

その1はこちら 鬱だったのかという時期を振り返ってーその1。鬱から回復した人に鍼を受けたいか。 - ロンドンの、船上の鍼灸師の日記 入社して、新人研修が終わり僕は輸出営業課に配属されました。 そこで上司になったのがHさんでした。この方は面倒見がい…

鬱だったのかという時期を振り返ってーその1。鬱から回復した人に鍼を受けたいか。

自営に切り替えるにあたり自己紹介を兼ねて、自分が鍼と出会うきっかけになった会社員時代の鬱の時の話を書こうと思います。 僕に近い症状の人が鍼やマッサージに行って少しでも気が楽になればと思います。 僕は大学を卒業して大手メーカーに就職したものの…

症例報告 足首と腰痛と胃炎??

私は経絡の流れなどをベースとしたものではなく、患者さんの動きや癖、構造などを分析して症状を取り除く「整動鍼」というやり方をベースに治療をしています。 症例報告10代女性 学生 主訴: 左足首の痛み 普段からBallet をしている女性で1ヶ月ほど前に左足…

自分なりの身体観からの健康と身体の根本

今週のお題「2020年の抱負」 去年の年末に、不意に思ったことがあります。 それは「根本を治療する」ってなんだろう。来年はそれに向かっていくことを考える一年になるんじゃないのか。 そういう予感がよぎりました。 この業界に入って13年目。自分なりの身…

自営業へ向かって

先日、来年1月末をもって今のクリニックをやめるというか、正社員という立場から自営業者としての契約に切り替えるようにクリニックに伝えました。 子供ができると色々なことが変わります。住む場所、生活する費用などなど。 結婚して1人が2人になった時は住…

治療メモ 治療の礎として

1) 人は見えていないところがある 右側の坐骨神経痛及び脛骨沿いに歩行時に痛み。右足親指にしびれ。 視覚を6方向で左右の目をそれぞれ確認(右の上横下、左の上横下)したところ、右目で左横が見えていない(指鼻試験)。つまり、左横を見るときに、右下肢全体…