ロンドンの、船上の鍼灸師の日記

2012年から客船で鍼師として働いていましたが、2017年からロンドンで治療家として働いています。治療のこと、クルーズのこと。色々綴っていこうと思います。ウェブサイトはこちら。https://www.junjapaneseacupunctureandshiatsuclinic.com/

ゴーストタウン化したロンドンと時間が増えたのに全く足りないと感じる自分自身と

ロンドンは今ゴーストタウンのようです。

先々週ぐらいから不要不急の外出はやめるように勧告が出て、今週からついに私が勤めているマッサージ、鍼灸施術を行うクリニックも閉まりました。

自営の治療も休まざるを得ない状況になり、ここ1週間近くは仕事をすることなく基本家で家族と過ごしています。

 

日本がお花見をしたり、患者さんから電車は満員だという話を聴くと日本は本当に今のような対策でいいのかな、本当にコロナウィルスの感染者ってあんなに少ないのかなと勘ぐってしまいます。

それぐらい、ロンドン(きっとイギリスのそれ以外の都市はもっと酷いはず)の街は郊外も含め人気がありません。

 

それはさておき、じゃあ基本家に居ることになると自分の時間が増えるはずなので色んなことができるはず!と思っていたのに全然時間がない。1日1時間ぐらいは本が読めていますが、もっと時間はあるはずなのにどうしてなんだ!と思い、どうやって時間を消費しているか考えてみました。

 

考えた結果、子供と接する時間が大幅に増えていました。前まではクリニックへ週3回行っていたので、9時半ー20時まではいなかったですし、それ以外にも出張や自宅で診ていたので、1日1時間も接していなかった日がありました。それが今では基本ずっと一緒にいるわけで、今までいかに子供と一緒に時間を過ごしていなかったかを通過します。

子供といる時間は自分の時間のようで全く違うので、何かしてるようで何もしていないもどかしさがあります。

今まで自分中心で生活をしてきて自分の思うように時間を使ってきたのが、子供といるとそれができなくなる。勉強もしたい、映画も観たい、漫画も読みたい。世の中にはすでに自分の人生を全て文化に費やしたとしても、それを上回る量の文化の遺産があります。

 

子供が生まれる前は、あんなにライブや映画館に行っていたのに、どちらも行けていません…子供の成長する姿を見れれば何を犠牲にしても…なんていうのは、未だに僕は思えず、それなら自分の好奇心を満たしてくれる何かに接していたいという欲は消えません。

 

大人になると欲がなくなっていくといいます。高齢者になると同じものを食べる傾向が強いなと感じていますが、それは欲がなくなっていることの例だと思いますし、逆に言えば、それは自分の時間を自分の欲のためではなく、子供など人のために使えるようになるための人間の動物としての自然なプロセスなのかもしれないな。その一方、マーケティングという言葉が流行る中、私たちの脳を刺激しようとする業界は発展していくなら、僕の欲はいつになればなくなっていくのだろうか…

ずっと刺激を求めている気がしてなりません。

 

歳を重ねるにつれ、新しいものに挑戦したいという欲が消えていくのかな…と思うと寂しくなりますが、そんなことより目の前に子供がいるとそんな悠長なことも言っていれません。

 

子供と接しながら、いかに自分の欲を刺激できるか。それが僕の至上命題です笑

 

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こんなイベントはもうありません…