ロンドンの、船上の鍼灸師の日記

2012年から客船で鍼師として働いていましたが、2017年からロンドンで治療家として働いています。治療のこと、クルーズのこと。色々綴っていこうと思います。ウェブサイトはこちら。https://www.junjapaneseacupunctureandshiatsuclinic.com/

自分なりの身体観からの健康と身体の根本

今週のお題「2020年の抱負」

 

去年の年末に、不意に思ったことがあります。

それは「根本を治療する」ってなんだろう。
来年はそれに向かっていくことを考える一年になるんじゃないのか。

そういう予感がよぎりました。

 

この業界に入って13年目。自分なりの身体観は考えてきたつもりで、どういう身体が健康なのか?ともし患者さんに聞かれたら、

1. それぞれの骨が骨として独立した存在でありながら、違う骨と連結をみせる
2. それぞれの臓器がそれぞれの臓器の形をする
3. 上記の2つを踏まえて、全ての組織が均等に引っ張り合い、360度均等な遊びをもつ

という風に答えます。

わかりにくいので例を出します。

 

「骨が骨として独立する」
慢性の腰痛をもっておられる人に多い形として、骨盤と背骨がくっついているような方がおられます。それはそこをマッサージしたりしてもなかなかはがれません。
全体をよくよく観察してみると、そういう方は股関節が固まっていることも多く、関節の可動性を考えると、本来とても柔軟性のある関節である股関節が様々な理由から固まり体重を支える機能が低下したために、股関節の役割を仙腸関節や腰仙関節(つまりは骨盤と背骨との関節)などに代用してもらうため、腰全体がにっちもさっちもいかないぐらい固まってしまうわけです。

柔軟性のある関節は隙間を見いだしやすいと考えているので、そこの遊びを作っていくことで、あまり柔軟性のない関節が結果的に遊びができてきます。

 

そういう作業の先の理想形として、「それぞれの骨が骨として独立した存在でありながら、違う骨と連結をみせる」があると思っています。

 

「それぞれの臓器がそれぞれの臓器の形をする」

はっきり言って意味がわからないと思いますが、例えば内臓って言われると下のようなイメージを持たれると思います。

 

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ところが、いざ服の上からお腹を触ってみると、そんな各々の形はしておらず、ただただお腹としてポコーンとしたものに触れられるだけのように思います。ところが、何千人とお腹を触って治療をしていくと、小腸が小腸らしく、大腸が大腸らしくなってくるのです。

つまりポコーンとしたものがすごく細かく分かれてきて、上の図のように臓器ごとに枝分かれしてきます。

臓器が臓器らしくなって形が整ってくると、その臓器の機能が昂まってくるように僕は考えています。

そしてそういう作業の理想形として、「それぞれの臓器がそれぞれの臓器の形をする」があります。

実際、そういうアプローチをして僕は色んな内科的疾患を治療してきました。

 

その2つを統合していくことで、最後に書いた「全ての組織が均等に引っ張り合い、360度均等な遊びをもつ」が生まれて、それが健康という状態に一番近いのかなと考えています。

 

今年はこの考えを自分の意識の底に持って全ての方を診ていけたらなと考えています。

 

ご縁のある方、今年もどうぞよろしくお願いします。

 

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南極からの初日の出 on 2015