ロンドンの、船上の鍼灸師の日記

2012年から客船で鍼師として働いていましたが、2017年からロンドンで治療家として働いています。治療のこと、クルーズのこと。色々綴っていこうと思います。ウェブサイトはこちら。https://www.junjapaneseacupunctureandshiatsuclinic.com/

幽遊白書その1、HUNTER×HUNTERとの性質の違い(主観)

 僕が日本からロンドンまでわざわざ持ってきた漫画は6つあります。(もっと持ってくる予定ですが)

本棚にあるのが「陰陽師」「レベルE」「幽遊白書」「さよならも言わないで」「HUNTER×HUNTER」「ホムンクルス」です。半分が冨樫義博さんで偏りすぎだろうという話もありますが、僕はその中でもやはり幽遊白書が好きです。

何回も読み込んだ結果、僕は10巻からだけ持っていて、それはなぜかというと、そこら辺から単純なバトルものから少しずつ一線を画していくからです。

 

僕はドラゴンボールはそこまで読み込んでいませんが、だいぶ前に通して読んだ時にこの物語は「悟空がただただ強い相手と闘う、それが自分の生きる意味なんだ。」と確信をしていく物語なんじゃないのかなと考えていたことがありました。

それは初めに強い敵が来たら小さい悟空は死ぬし、そういうことってバトルものではありがちな矛盾なのですが、ドラゴンボールに詳しい患者さんに悟空が闘うことに関して考えるシーンがあったのか聞いてみたところ「オラワクワクするぞ」と言うコメントがメインだが、セルと闘った後に「自分がいるから強い奴らが現れる」という意味深なコメントを残していたそうです。

 

それはさておき、今回は齢36歳のおじさんの僕が改めて漫画を読み返して考えたことを書こうと思います。まずは幽遊白書から。設定などは説明し出すと長くなりすぎるので、興味がある方はこちらを参考になさってください。幽☆遊☆白書 - Wikipedia

未だにHUNTER×HUNTERは続いていますが、改めて両方を読み返した時に感じるのは、幽遊白書の方が内省的なストーリーになっていることです。敢えていうなら、HUNTER×HUNTERがサスペンスで幽遊白書がヒューマンドラマというか。

訳がわからないと思うので説明を加えると、僕個人の中で、サスペンスって「人が死ぬ」ことで展開するなと思うんです。その「死」という、もう過去には引き返せない事柄を巡り、どうしてそのことが起こったのかを読んだりすることで読み手の感情を揺さぶるわけです。

でも、死んでしまったら、なんというか、ある意味そこで終わりじゃないかと僕は思うんです。人ってそんなに簡単に死なないと思うし、ブログでも書きましたが、鬱っぽかった時に死ぬ以外に方法はないと勝手に思いつめて、急なS字カーブに自転車で毎日突っ込んでいましたが、中々死ねるもんじゃありません。

 

そこに至るまでに感情がとても揺さぶられることはあってもその後の余韻は残らないというか、僕の中で死を選ばせるのは「作り手にとって無難な手を選んだ」そんな気がします。

その一方で、ヒューマンドラマの特徴は人が死なない。(もちろん死ぬこともありますが、あえてサスペンスとそのように区別してみます)そして、その死なないことによって、物語が終わらないので登場人物の心情がズンと心に響くことがある。

そういう性質の違いが両者にはないかなと考えています。

 

続きはこちら。

遊助は何を守ったのか。戸愚呂に勝てた理由。幽白その2 - ロンドンの、船上の鍼灸師の日記

 

戸愚呂が否定した価値観をなぜ遊助は肯定したのか 幽白その3 - ロンドンの、船上の鍼灸師の日記

 

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これ何回読んだかなぁ。1993年発刊なので、もう25年以上前ですね。

未だに僕は読んでしまいます。