ロンドンの、船上の鍼灸師の日記

2012年から客船で鍼師として働いていましたが、2017年からロンドンで治療家として働いています。治療のこと、クルーズのこと。色々綴っていこうと思います。ウェブサイトはこちら。https://www.junjapaneseacupunctureandshiatsuclinic.com/

ロンドン

プロになってますやるべきこと

ある分野でプロになった患者さんがロンドンに来た時に来院された時に、運動量が5倍になったと言っていた。 捻挫をしたらしいけど、運動量が5倍になったということは自分の動きの弱いところに5倍の負荷がかかってしまうということになる。 その意味で捻挫は実…

海外で育つ日本人の日本語の現実

お題「わたしの宝物」 僕の娘はイギリスで日本人夫婦の元で生を受けました。 彼女は日本で生まれた親を持ちつつ、イギリスで育っていくことになります。父親(僕)はコミュニケーションは英語でできるけど流暢と言えるレベルからは程遠く、妻はこっちで育った…

首を傾ける癖とテニス肘

症例報告 30代 男性 会社員 主訴: テニス肘(右肘外側) 先週末にぬかるみの中でテニスをしていたところ、右肘外側に痛みが出るようになった。特にバックハンドでボールを打つ時に出る。 肘の外側自体はそこまで硬くなかったため、このテニス肘は患部が凝りす…

朝に一番酷い親指と手首のピキッとした痛み。甘いものもあるか…

50代女性 職業:ツアーガイド 症状:特に起床時の親指の痛み。伸ばすと付け根に痛みがピキッと走る 1ヶ月ほど前から親指の付け根に痛みがくるようになり、今ではペンを握って書くのでも痛みが出る。原因はよくわからない。 親指に痛みが出る人に多い人の…

初めての渋谷らくご

お題「好きなシリーズもの」 渋谷らくごってご存知ですか? 初心者でも楽しめる「渋谷らくご」 僕はPodcastでずっと聞いてるんですが、そこがこの度、5月公演を初めてオンライン上でやるとのことで、オンライン寄席へ行ってみました。 これは新規のお便りが…

ゴーストタウン化したロンドンと時間が増えたのに全く足りないと感じる自分自身と

ロンドンは今ゴーストタウンのようです。 先々週ぐらいから不要不急の外出はやめるように勧告が出て、今週からついに私が勤めているマッサージ、鍼灸施術を行うクリニックも閉まりました。 自営の治療も休まざるを得ない状況になり、ここ1週間近くは仕事をす…

自分なりの身体観からの健康と身体の根本

今週のお題「2020年の抱負」 去年の年末に、不意に思ったことがあります。 それは「根本を治療する」ってなんだろう。来年はそれに向かっていくことを考える一年になるんじゃないのか。 そういう予感がよぎりました。 この業界に入って13年目。自分なりの身…

出産を治療で助けられた実感と「子供が在る 」感触と 。生と死の無色。

先週無事に子供が生まれました。 朝6時半に陣痛が来て、15時8分に出産。8時間半かかった初産は悪くはない時間のようです。 ずっとそばにいましたが、24時間以上かかった妊婦さんもいる中で割に苦しくなく産まれたように思います。 もちろん彼女は本当に痛か…

三菱重工をやめて、鍼灸師になって、クルーズで働いて、ロンドンで働けたことをどう考えよう。その2

その1の続きです。 http://acupuncturistontheship.hatenablog.com/entry/2019/03/08/032931 前の記事を見ると、時々同じことを考えてるなと思います。自分をやっぱり運命論者だと思ってるんだろうな。。。 で、運命論者ってどういう意味だろうと思ったら、…

イギリスのクリスマスと距離感

イギリスで初めてのクリスマスを迎えました。 他の西欧諸国では知りませんが、イギリスの場合、クリスマスが一年で一番盛り上がりをみせると言っても過言ではありません。 初めて聞いた時は本当に驚きましたが、25日は全ての交通機関が止まります。 殆どの店…

俳優は「人にあらず人を憂う」の意味を考える。ある俳優さんの施術を通して

ご縁がつながり、うちのクリニックにある俳優さんの出張依頼があり私が行くことになりました。 その方には合計4回施術させていただいたのですが、診せてもらったのが舞台の本番1日前、本番直前の楽屋、2日目の午前中、3日目(最終日)終了後の夜でした。ちなみ…

土地に慣れていく

ロンドンに来て半年が経とうとしています。 半年、こちらの食べ物を食べ・排泄し、空気を吸い・吐き・染み込み、景色を見て・見られ、土地に馴染んできました。 すると、はじめは違和感を感じていたものが、感じなくなり、はたまた違和感を感じていたことを…

会えないと思ってたら会えた

人の縁の繋がり方って本当に不思議だなと思います。 こちらがこの人と気が合いそうと思って、思い切って声をかけても、あちらは何も思ってなかったり、そのまた逆もしかりなわけで。 船で治療をして、その時はイギリスで働くなんて思ってもいなかったのに、…

天気と身体

ロンドンに夏が来た! と先週・先々週は思っていたのに、今週からまた冬のような身体の芯に届く雨が降ったりして、ロンドンはなかなか登り調子で記憶が上がりません。 気温が上がると、血液の循環も実際よくなるからか、精神も巡るからか、比較的ポジティブに…

セブンシスターズへ。その1 僕が山に登りたくなる理由

イギリスに来てから、早3ヶ月。 生活にも慣れてきたものの、色々と計画するのが面倒くさかったり、治療が好きだったりもあり、ほぼ毎日治療院に顔を出していました。 しかし、私は昔から、街に疲れてくると、自然の中に身を置きたくなる性分で、そのことは大…

イギリスと船上の患者さんの違い その2

久しぶりに治療という場に復帰して思うことの続きです。 私は三菱重工に居た時に精神をストレスから病んでしまっている時に、鍼灸に助けてもらったという思いが強くあります。そのため、ストレスで気がめいっていたり、その手前の人の気持ちが人よりはわかる…

イギリスと船上の患者さんの違い その1

イギリスに来てから10日間ほど経ちますが、色々な手続きをしたりとばたばたしています。私が働いているクリニック(イギリスでそう呼んでいいのかわかりませんが)は日本人が多く、日本人しか診ない日もあり、また、スタッフも日本人のかたばかり(一人こ…