土着のエッセンス
先日、イカゲームを患者さんの家でみせてもらった。エピソード1だけだったけど。
バトルロワイヤルに似てるらしいとか言われていたので、どんなもんなのかなぁと思った観たら、確かにそんな要素はあるかもなぁと思った。その一方で、韓国のアイドルに日本のアイドルも影響を受けたりしている。
つまりはお互い影響を受けあっているんだろう。
じゃあその影響というのは、違う文化圏でも及んでいるのかといえば、そうじゃない気がする。
イカゲームやバトルロワイヤルみたいな映画を違う大陸でみたことはない(あくまで僕の少ない映画体験の中でですが)例えば、アメリカやヨーロッパなんかで。
でも、アメリカやヨーロッパで世界的に評価されている映画の要素、映画の土台のなるエッセンスがでは東アジアの国で抽出されているのかと言えば、僕はそんなことはない気がしている。つまり、各々の地域の風習、価値観、宗教、文化、言語など諸々を吸い取って生きてきたことでしか抽出できない発想、着想、表現のエッセンスがあるんだと思う。
それは、世界中の人にとって共通の要素であるにも関わらず、土着のエッセンスを経たものでしか表現し得ないものでもあるんだろうな。
村上春樹さんの書籍は何かを訴えるから評価されて世界中の人が読むんだけど、じゃあ村上春樹さんの持つその何かを違う文化圏の人が表現し得るのかといえばきっと出来ないんだと思う。
日本人の娘が日本人夫婦のもとでイギリスで生まれ育つにあたって、上記のようなことを考える。
どれだけ日本語を教えたとしても、日本で長い間住まないとわからない感覚があって、そこはきっと理解できないし、そもそも認識すらできないんだろう。
僕もイギリスに来て6年目だけど、もちろん同じことが言える。
娘が漢字を読み書きすることができて、日本人が日本で抽出したエッセンスが盛り込まれた書籍や映画を浴びれば、どうなるかわからないけど、そこまで習得させられる自信はない。
どうなっていくのか、自分でも楽しみだ。