五十肩の綱引きの視点
今日診た五十肩の患者さんについて。
何度か治療をして動きはかなり改善したにも関わらず、屈曲の最後がいかない。160度ぐらいから最後上に伸び切らない。
腋窩神経、肩甲下筋、棘上、棘下、大円、小円、大胸、小胸、前後上腕回旋動脈などなど色々自分なりにアプローチしたのだが、どうもうまくいかない。
治療している時に気になるのが、腕のポジションをセットして治療し始めると、かならず肘を曲げる姿勢に戻ることだった。
そして気づいたのが、彼は肘を伸ばすことができないということだった。つまり、上腕三頭筋長頭が短縮して、肩甲骨を常に外転、上方回旋方向に引っ張っているのではないかということだ。
そのベクトルのせいで、上腕骨が上内方に変位してしまうため、肩甲上腕関節の屈曲の最後でインピンジメントを起こしてしまうのではないかと考えた。
この答えが突然思いつき、三頭筋に遠心性収縮を加えたところ、最後の痛みが取り除かれた。
局所をばかりに目が行きがちだったけど、患者さんが無意識に行う癖を見極めたことで、どうにか良い結果を出せた症例だった。