ロンドンの、船上の鍼灸師の日記

2012年から客船で鍼師として働いていましたが、2017年からロンドンで治療家として働いています。治療のこと、クルーズのこと。色々綴っていこうと思います。ウェブサイトはこちら。https://www.junjapaneseacupunctureandshiatsuclinic.com/

誰にでもある多重人格。幽白:仙水編3

お題「#おうち時間

お題「我が家の本棚」

 

前回までの続きはこちら

仙水と飛影はなぜ黒の章に興味を持ったか。仙水編1 - ロンドンの、船上の鍼灸師の日記

コエンマの霊界告発と仙水とグレタさん。仙水編2 - ロンドンの、船上の鍼灸師の日記

 


前回は仙水の死とコエンマの霊界の告発との関係について妄想しました。
今回は仙水の多重人格について思うところを書きます。どんだけ仙水編について書くんだという話ですが、僕はやはりそれぐらい幽遊白書が好きなんだなぁと改めて感じます。
 
仙水には7人の性格が彼の中にはいて、主人格と戦いを担当する人格が三人、別のことを担当する人格が三人いるらしいです。((別のことをする人格の一人は女性で泣き虫役だったそうで、内気で純情で傷つきやすかったそうです。)
終わりのない闘いの中で仙水が自ら創り上げた哀しい別人格だと樹は述べていました。
僕は人生で多重人格を持つ人がいるんだとこの物語で初めて知りました。それはなんとも言えず新鮮で奇妙な感じがしたのを何となくですが覚えています。
 
鍼灸師になるもうずっと前、20歳の大学生の時に知り合いの彼氏の元カノが多重人格者だったそうで、元カノがどうして多重人格を持つまでに至ったのか初めて会ったにも関わらず話してくれたことがありました。(変でとても長い一夜だったな…)
彼はその元カノが人格を統合するための治療を受けていた時にそばでいたために、どうして彼女が別人格を持つに至ったのかを知っていました。
どうして別人格を持つようになったかについて聞いてるだけでもきつかった内容でしたが、「孤独で終わりのない戦いを続けた」という意味では、彼女と仙水は対して変わりません。
話を聞いて思ったのは、孤独でかつ周りに支えてくれる人がいないと、自分で自分の中に支えてくれる人を作るようになってしまう心の構造が人間にはあるんだということでした。

あと、クルーズ船で働いていた時に、軍隊で働いていたカナダの方を診たことがあります。彼女はPTSDで苦しんでいました。ユーゴスラビア紛争の解決のために駐留した時の記憶が今でも蘇るそうで、その記憶が頭から離れないそうです。映画「アメリカンスナイパー」に出てきた主人公がイラク戦争後から帰ってきた後にPTSDで苦しんでいたように。
彼女は多重人格とは言っていませんでしたが、その時の記憶から逃げ出すために人格を作り出す可能性もあるのかなぁと考えたりします。
 
僕自身は別人格を創り上げるほど人格が分離したことはありませんが、会社員時代に感情を表に出すのも辛かったあの時の自分は今の自分とは明らかに違っていました。(鬱だった時のブログを載せる)
でもその一方で、ああいう風になる自分も、自分を形成している中にはあるんだなと思うと、多重人格って何なんだろうと思います。
 こうして考えていけば、多重人格を作る可能性は人間誰しもこういうことは起こりうるんだと思いますし、女性の化粧という行為は別人格を作っていると言えなくもないのではないでしょうか。(だからこそ、すっぴんも綺麗だねと彼女に言う時、じゃあ化粧してる私はどうなのと不機嫌になる現象に説明がつきます。つまり、すっぴんの土台に化粧の自分があるのではなく、すっぴんの自分と化粧している自分が並行して存在している)
 
 10歳にも満たない子供もがこういう物語を読むことに賛否両論あるとは思いますし、今だときっとジャンプには載せられない気がします。
物語をたくさん読む、聞くことの重要性の一つはあらかじめ学習しておくことで、自分が同じ境遇になる(かもしれない)時に苦しみ過ぎないことではないでしょうか。
その意味では10歳にも満たない年齢で仙水編を読むのは大切…なのかもしれません。
自分の子供にはもう少し大人になるまではお勧めできませんが汗
 
まだまだ続きます。次は戸愚呂(弟)の死と仙水の死って繋がってない??です

 

戸愚呂弟の死と仙水の死の共通点 仙水編その4 - ロンドンの、船上の鍼灸師の日記

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昔は裏表のない性格に憧れたけど、今は多面体を持った性格に憧れます。