ロンドンの、船上の鍼灸師の日記

2012年から客船で鍼師として働いていましたが、2017年からロンドンで治療家として働いています。治療のこと、クルーズのこと。色々綴っていこうと思います。ウェブサイトはこちら。https://www.junjapaneseacupunctureandshiatsuclinic.com/

2017-01-01から1年間の記事一覧

イギリスのクリスマスと距離感

イギリスで初めてのクリスマスを迎えました。 他の西欧諸国では知りませんが、イギリスの場合、クリスマスが一年で一番盛り上がりをみせると言っても過言ではありません。 初めて聞いた時は本当に驚きましたが、25日は全ての交通機関が止まります。 殆どの店…

いつどこで生まれるか

モロッコへ旅をして来ました。10日間。 砂漠へ行きたかったものの、引っ越しで色んな経費がかさんだり、1人だと思ったより高かったりで断念したため、モロッコの街を巡ってきました。 日本を離れて10ヶ月、久しぶりに発展途上国と呼ばれる国を旅してきました…

クルーズの経験を振り返って思う、どこが何が一番綺麗だったんだろうということ。

今週のお題「芸術の秋」 私がクルーズで働いていたと患者さんに伝えた時に、「一番よかった国や街はどこですか?」と聞かれることがあります。 卑怯だろうと思われるかもしれませんが、それはずばり「南極」です。 クルーズ船での鍼灸師として働いていた時に…

俳優は「人にあらず人を憂う」の意味を考える。ある俳優さんの施術を通して

ご縁がつながり、うちのクリニックにある俳優さんの出張依頼があり私が行くことになりました。 その方には合計4回施術させていただいたのですが、診せてもらったのが舞台の本番1日前、本番直前の楽屋、2日目の午前中、3日目(最終日)終了後の夜でした。ちなみ…

昔からある音と今ある音とは美しいハーモライズが出来るのか

最近、コンサートをよく聞きに行っています。 Julius Eastman Memorial Dinner | Barbican Susheela Raman: Sacred Imaginations 1 | Barbican 特に先週行ってきたSacred Imaginationsはとてもよく、私にとっては、日本で観たモーリス・ベジャールのボレロ以…

発展途上国へ行った時にみんなが思うことは失礼にあたるのか

最近、忙しくてブログが更新出来ていません。 去年、有機食料品店で働いていた時は、4日に一度と決めて、出勤前に10−15分前に職場について、近くの橋の下で、ガラケーに文章をがががっと詰め込んで、ブログの送信アドレスに送ってました。 昨日、東京ポ…

スコットランド、ハイランド。ベンネビスへ行く。

高い場所を見たら登ってみたい。 そんな感覚を持ったことはありませんか? 私は高い山を見るといつもわくわくしてしまいます。 イギリスに来た時に調べたことの一つは、「イギリスで一番高い山はどこだろう?」というものでした。 それで出てきたのがベンネ…

圧に対して思っていることをちらほらと。

最近、治療をしている中で「圧」についてよく考えます。 陰圧や陽圧などの話は他のサイトに譲るとして、圧はある空間が縮まったり、拡がったりする時に、その空間を構成している境界線にかかる力と言えます。 ーーーーーーーーーーーー 職場の人と不妊治療に…

世界大会で日本や日本人を応援することへのもやもや

初めての天下一武闘会という名の世界大会 in London。 元職場の人がドイツのパラ代表としてトレーナーをされてて、お会い出来たのは非常に刺激になりました。 障害の関係で静かにしないといけないシーンがありましたが、こんなに静かな世界大会ってあるのか…

土地に慣れていく

ロンドンに来て半年が経とうとしています。 半年、こちらの食べ物を食べ・排泄し、空気を吸い・吐き・染み込み、景色を見て・見られ、土地に馴染んできました。 すると、はじめは違和感を感じていたものが、感じなくなり、はたまた違和感を感じていたことを…

カンタベリーでの不思議な体験

先日、カンタベリーへ行ってきました。大聖堂で有名な街です。 カンタベリー - Wikipedia インターネットを探せば、見所、写真などがもう溢れるように出てくると思うので詳細は書きませんが、そこでの不思議な体験を記しておこうと思います。 小さいけれど、…

幸せだと思える時も、辛いなと思える・思えないぐらいしんどい時も、魔法がかかっていると思えるように。

今週のお題「もしも魔法が使えたら」 「魔法が使えたら」なんていう、「たら」は寂しいなぁ。 僕は、誰かが僕に魔法を使っていると思うからです。 ロンドンで鍼灸師とマッサージ師の仕事をしている今であったり、カリブ海に浮かびながら、地中海に浮かびなが…

会えないと思ってたら会えた

人の縁の繋がり方って本当に不思議だなと思います。 こちらがこの人と気が合いそうと思って、思い切って声をかけても、あちらは何も思ってなかったり、そのまた逆もしかりなわけで。 船で治療をして、その時はイギリスで働くなんて思ってもいなかったのに、…

天気と身体

ロンドンに夏が来た! と先週・先々週は思っていたのに、今週からまた冬のような身体の芯に届く雨が降ったりして、ロンドンはなかなか登り調子で記憶が上がりません。 気温が上がると、血液の循環も実際よくなるからか、精神も巡るからか、比較的ポジティブに…

Winchester〜Queen Elizabeth Country Park〜Petersfieldへ その2

前回セブンシスターズへ行った時は、サウスダウンズウェイの東端だったので、最後easbpurneついた時に、winchester 100mileという看板を最後見つけましたが、今回はその逆を歩くので、eastborune 99mileという看板を見つけました。 100 mileのはずなのですが…

Winchester〜Queen Elizabeth Country Park〜Petersfieldへ その1

前回に引き続き、サウスダウンズウェイ国立公園を歩いてきました。 サウスダウンズ国立公園(South Downs) | VisitBritain Discovery Map - South Downs National Park Authority 一ヶ月に一度ぐらいはハイキングに行きたいなと思っていたのですが、一ヶ月…

セブンシスターズへ。その3 郊外にこそ、その国らしさがあるのか。

その1・2で山に登りたい理由とか色々書きましたが、頭で色々と考えるより、そもそも私はやはり山が好きです。山と言えるほどのものではないですが… 今回は、その行ってきた行程を書きたいと思います。 セブンシスターズはイギリス南部ではとても有名なとこ…

セブンシスターズへ。その2 達成感と人生の肯定感

マラソン、筋トレ、山登りに共通するもう一つのもの。 それは、結果が出ることだと思っています。 社会人になって、はたまた、社会人の前でも平穏な日々が続いている時に、不意に不安が襲ってくることはありませんか? 「 人生このままでいいのか?」 「何か…

セブンシスターズへ。その1 僕が山に登りたくなる理由

イギリスに来てから、早3ヶ月。 生活にも慣れてきたものの、色々と計画するのが面倒くさかったり、治療が好きだったりもあり、ほぼ毎日治療院に顔を出していました。 しかし、私は昔から、街に疲れてくると、自然の中に身を置きたくなる性分で、そのことは大…

「笑いは緊張と緩和だ」とは明石家さんまさんの言葉みたいだけど、それは呼吸や人がブログを書いたりするのと同じなのかな

「笑いは緊張と緩和だ」と明石家さんまさんが言っていたみたいという誰かの言葉をずっと覚えていました。 本当にさんまさんが言ってたのかなと思って検索をかけてみたら、さんまさんも含め色々な方がそのように思っておられるんですね。 知らなかった。 笑い…

メモ

第2中手骨を使って頸部の痛みを取る。 第2中手骨からラインを引いて、相手が訴える痛みの場所にラインを引きます。 当該部位に伝わったら、第2中手骨を「コツンコツン」と少し動かすと、その該当部位に「コツンコツン」と響きます。 観えないラインは、実…

治療家は僧侶と医者の間にいる その2 心を診るってなんだ

治療家は僧侶と医者の間にいる。 なぜなら、「心と身体両方からアプローチするからだ」と書きました。 じゃあ、心を診るって何なんだろう。 人の話を聞く。 それだけでいいのかもしれないし、それだけじゃ不十分なのかもしれません。 励ます。 励まされたい…

治療家は僧侶と医者の間にいる その1

私が初めて本格的に東洋医学の勉強をさせてもらったのは、鍼灸の学校に入る前に会社員をやっていた時です。 入学を夏に決め(会社には年末に言った記憶があるので、その頃は会社員を続けていました)、平日は東洋医学の辞書を片手に東洋医学の入門書を読んで…

人に触れること 侵害刺激のない触診5

懇親会も無事に終わり、2日目のセミナーへ。 基本的には1日目と同じ内容のものを1日かけてやりました。 侵害刺激のない触診に始まり、相手から放たれる気を感じ、その凹凸を調整し、そして頭蓋や内臓を調整する。 その長いステップへ向けての訓練です。 この…

イギリスのパンケーキデーってご存知ですか?

そきれイギリスのパンケーキデーというのをご存知ですか? キリスト教にまつわる伝統行事で、主に英語圏で祝われているそう。 この日はキリスト教徒が復活祭前に行う40日の断食期間(日曜除く)を前に、卵や牛乳などを消費するのと同時に、滋養を摂ってお…

イギリスの生活に慣れてきたから物足りなくなる

今週のお題「卒業」 卒業にも色々な卒業がありますが、私は今、日本の生活から卒業しかけているような気がします。 イギリスに来て1ヶ月と少し。 家と職場の行き方にも慣れ、地下鉄で行っていたのをバスに変えて、最近は自転車になりました。 ネットでバス…

人に触れること 侵害刺激のない触診4

1日目のセミナーは、筋力テストによる侵害刺激のない触診が出来るかどうかを終始練習して終わりました。 その晩の懇親会での出来事。 「私は今日セミナーに来ておられる方ほど勉強はしていない。でも、運を掴んだんだ。」 と、飲み会の場で先生が言っておら…

人に触れること 侵害刺激のない触診3

先生が仰られるには、侵害刺激のない触診をすることが施術の初めの一歩で、そこからまだまだステップがあるとのこと。 次に患者さんのエネルギーを感じ取る訓練をし、患者さんに流れている凹凸で不均一なエネルギーを均一にする。 そうして初めて、内臓や頭…

人に触れること 侵害刺激のない触診2

「脳から身体、内臓まで通じる侵害刺激のない触診の真髄」 セミナーが始まり、まず先生がデモンストレーションされたのが、デモの患者が寝ていて、術者が3mほど離れたところから立ちます。 それで、検者が足を持ち力をいれて挙げられるかというテスト(=筋力…

人に触れること 侵害刺激のない触診1

日本に居た時に書き留めていた内容をアップしておこうと思います。 -------------- 久しぶりに遠方までセミナーに参加してきました。 タイトルは「脳から身体、内臓まで通じる侵害刺激のない触診の真髄」です。 初めは予定の都合で行けなかったのですが、ス…