英国の、船上の鍼灸師の日記 the diary of acupuncturist on Great Britain, cruise ship

2012年から客船で鍼師として働いていましたが、2017年からロンドンで再び治療家として働いています。治療のこと、クルーズのこと、食べ物のこと。色々綴っていこうと思います。

治療家は僧侶と医者の間にいる その1

私が初めて本格的に東洋医学の勉強をさせてもらったのは、鍼灸の学校に入る前に会社員をやっていた時です。 入学を夏に決め(会社には年末に言った記憶があるので、その頃は会社員を続けていました)、平日は東洋医学の辞書を片手に東洋医学の入門書を読んで…

人に触れること 侵害刺激のない触診5

懇親会も無事に終わり、2日目のセミナーへ。 基本的には1日目と同じ内容のものを1日かけてやりました。 侵害刺激のない触診に始まり、相手から放たれる気を感じ、その凹凸を調整し、そして頭蓋や内臓を調整する。 その長いステップへ向けての訓練です。 この…

イギリスのパンケーキデーってご存知ですか?

そきれイギリスのパンケーキデーというのをご存知ですか? キリスト教にまつわる伝統行事で、主に英語圏で祝われているそう。 この日はキリスト教徒が復活祭前に行う40日の断食期間(日曜除く)を前に、卵や牛乳などを消費するのと同時に、滋養を摂ってお…

イギリスの生活に慣れてきたから物足りなくなる

今週のお題「卒業」 卒業にも色々な卒業がありますが、私は今、日本の生活から卒業しかけているような気がします。 イギリスに来て1ヶ月と少し。 家と職場の行き方にも慣れ、地下鉄で行っていたのをバスに変えて、最近は自転車になりました。 ネットでバス…

人に触れること 侵害刺激のない触診4

1日目のセミナーは、筋力テストによる侵害刺激のない触診が出来るかどうかを終始練習して終わりました。 その晩の懇親会での出来事。 「私は今日セミナーに来ておられる方ほど勉強はしていない。でも、運を掴んだんだ。」 と、飲み会の場で先生が言っておら…

人に触れること 侵害刺激のない触診3

先生が仰られるには、侵害刺激のない触診をすることが施術の初めの一歩で、そこからまだまだステップがあるとのこと。 次に患者さんのエネルギーを感じ取る訓練をし、患者さんに流れている凹凸で不均一なエネルギーを均一にする。 そうして初めて、内臓や頭…

人に触れること 侵害刺激のない触診2

「脳から身体、内臓まで通じる侵害刺激のない触診の真髄」 セミナーが始まり、まず先生がデモンストレーションされたのが、デモの患者が寝ていて、術者が3mほど離れたところから立ちます。 それで、検者が足を持ち力をいれて挙げられるかというテスト(=筋力…

人に触れること 侵害刺激のない触診1

日本に居た時に書き留めていた内容をアップしておこうと思います。 -------------- 久しぶりに遠方までセミナーに参加してきました。 タイトルは「脳から身体、内臓まで通じる侵害刺激のない触診の真髄」です。 初めは予定の都合で行けなかったのですが、ス…

イギリスと船上の患者さんの違い その2

久しぶりに治療という場に復帰して思うことの続きです。 私は三菱重工に居た時に精神をストレスから病んでしまっている時に、鍼灸に助けてもらったという思いが強くあります。そのため、ストレスで気がめいっていたり、その手前の人の気持ちが人よりはわかる…

イギリスと船上の患者さんの違い その1

イギリスに来てから10日間ほど経ちますが、色々な手続きをしたりとばたばたしています。私が働いているクリニック(イギリスでそう呼んでいいのかわかりませんが)は日本人が多く、日本人しか診ない日もあり、また、スタッフも日本人のかたばかり(一人こ…

渡英して最初に食べたものは?

先日、無事にイギリス上陸を果たしました。 神戸から来た身に取って、一番はじめに感じたのは寒い…ということ。 経由地のクアラルンプールは29度とかだったので、コートも脱ぎ、シャツも脱ぎなど半袖になっていたので、大違いです。(クアラルンプールから…

渡英の準備がさあ大変。

前回、ビザが降りるのを待っていたと書きましたが、ようやく降りました。 先週の金曜日におりて、今週の木曜日に出発する。なんと、1週間以内に海外旅行のチケットを購入しました。 「そんなもん、取れるのか。」と思っていましたが、案外取れるもんですね…

どういう価値観で生きるか。 今年の抱負に代えて。 その2

今週のお題「2017年にやりたいこと」 よく考えたら、治療家になる前までは、美術の学校に行った時には「美術家になりたい。」とか、それより前には「ミュージシャンになりたい。」とか思ったことはありましたが、そこまで強く思ったことはなく漠然としていま…

どういう価値観で生きるか。 今年の抱負に代えて。

今週のお題「2017年にやりたいこと」 あけましておめでとうございます。 昨年末にイギリスのビザセンターへビザの申請に行き、通常2−3週間かかると言われるビザを待っています。 スポンサーがいるので、ほぼ確実とは思いますが、まだ決定的ではなく、もや…

治療感想メモ 2日目

ある治療院で治療を受けた時の私のメモ。 当日と翌日の計2回をわけて載せます。今回の掲載は2回目。 ちなみに、主訴は以下の通りです。 1.左脛の知覚鈍麻 2.左肩甲骨内下側部の知覚鈍麻 3.集中力が散漫 4.記憶力が悪い 前日と比べ、1と2はましになったもの…

経絡の存在を信じるか2

「胃の調子を改善させて欲しい。」 勿論、その病態は多様です。胃潰瘍もあれば、逆流性食堂炎、胃下垂などなど。 それらの問題に対し、脈診や問診、触診などを用いて東洋医学的な診断を下し、使う経穴やその経穴に用いる手技(鍼を刺すという行為にも様々なバ…

治療感想メモ 1日目

ある治療院で治療を受けた時の私のメモ。 気になったことは言われたことなども項目に分けて書きました。 当日と翌日の計2回をわけて載せます。 ちなみに、主訴は以下の通りです。 1.左脛の知覚鈍麻 2.左肩甲骨内下側部の知覚鈍麻 3.集中力が散漫 4.記憶力が…

経絡の存在を信じるか

経絡の存在を信じるか この問いにどう考えるかと言うのは、鍼灸師もとい治療家の治療スタンスを知るよい尺度になるのではないかと思っています。 例えば、治療を受けるにあたってその質問をし、回答に納得したら施術してもらうのは、自分と施術家との相性を…

ヒトはロボットと動物の間の進化の過程か

前回書いた、「ロボットでは効率のわるいことを人間が仕事としてする時代」の続きにもなりますが、タイトルのように考えれば、様々なことがすっきりするかもと思っています。 ヒトは様々な進化を経て、ヒトとなりました。単細胞生物から、魚類、両生類爬虫類…

ロボットでは効率のわるいことを人間が仕事としてする時代2

ロボットは私たちの社会のためにスマートフォンを製造するお手伝いをしている一方で、ミクロにロボットと私の関係を考えた場合にロボットが私のために働いているのではなく、「私がロボットのために働いている」な、と。 工場において、私とロボットどちらに…

ロボットでは効率のわるいことを人間が仕事としてする時代1

クルーズ船で働いている時、契約と契約の間で日雇いのバイトを時々していました。 主に行っていたのは、スマートフォンの部品を組み立てていく作業です。 時給は1000円で残業すれば1日1万円に手が届くというものでした。 ロボットがスマートフォン製造する…

AIが人間に興味がないのは、人間が他の動物に興味がないのと同じなのかも2

優生保護法という法律が日本の戦後にもあり、最近まで存在していたのをご存知でしょうか。 この法律は知的な障害を持っている人に対して避妊手術を行い、彼らの子孫ができないようにするものです。 いわゆる健常者を優性のものとみなして出来た法律だそうで…

AIが人間に興味がないのは、人間が他の動物に興味がないのと同じなのかも1

人工知能は将来人間の活動にどんな影響を与えるのか。 囲碁のプロに人工知能が勝ったことが話題になりました。 私たち治療家の業界では触診の研究が進んでいるそうで、もしロボットが人間のように人に触れることが出来るようになれば、何がどのように変わる…

ラジオでのリスナーとパーソナリティのすれ違い それは甘えなのか愚痴なのか

先日のラジオでの一コマ。 リスナーが、自分たちの不満をぶちまけるというコーナーでした。 「ある主婦からの投稿で、旦那さんが大きなマラソン大会に行くことにした。トレーニングをするのはいいが、トレーニングしてない日でもマッサージをさせられたり(ト…

30を過ぎると自分の人生は見えてくるのか。その2

以前ブログに書きましたが、船から降りて同世代の友人と日本で久しぶりに会った時に「彼らは大地に根がはり、住んでいる土地と繋がっている。」という印象を持ったと書きました。 前回書いたように、私は大学を卒業してからの10年強は何もかもが目まぐるしく…

30を過ぎると自分の人生は見えてくるのか。その1

先日、誕生日を迎えました。 その時に、もうほぼ時期も確定したため、SNS上で自分がイギリスへ行くことを伝えました。 実際あったり、個人的な話になった時は自分の今後を伝えていたのですが、知らない人も大勢いたためです。 書いた文章が以下のようなもの…

海外に住んでいる日本人が日本の良さを伝えたいという違和感3

前回は気候が病を作ることについて考えを書きましたが、今こうしてグローバルにものや人、情報が行き交っていると、このグローバリズムもまた、ある種の気候的な要素を持っているのかなと思うときがあります。 最近は流行の移り変わりが早いなんて言われます…

海外に住んでいる日本人が日本の良さを伝えたいという違和感2

東洋医学の考え方の1つに、「気候や風土が病を作り出す」というものがあります。 例えば、湿度の高い地域では湿邪というものが関係した病がおき、寒い地域では寒邪が人の病を作るといったもの。 なんとなく想像できるのではないでしょうか。 私はその考えの…

海外に住んでいる日本人が日本の良さを伝えたいという違和感1

先日聞いていたラジオでの話。 ある芸人さんが海外にロケに行って、夜飲みにいったとのこと。 現地の日本人のコーディネーターや、外国人のスタッフなどなどで話が盛り上がっている時に、コーディネーターの方が日本の悪口を言い始めたことに対して、その芸…

トルコ人の声かけとその裏側

船員として昨年働いていた時、7ヶ月の契約の間ずっと地中海にいました。 リスボンというポルトガルの首都から乗り、東に向かって、真夏の間はエーゲ海にいました。トルコとギリシャを行ったり来たりという毎日でした。 トルコに行ったことがある方ならわかる…