ロンドンの、船上の鍼灸師の日記

2012年から客船で鍼師として働いていましたが、2017年からロンドンで治療家として働いています。治療のこと、クルーズのこと。色々綴っていこうと思います。ウェブサイトはこちら。https://www.junjapaneseacupunctureandshiatsuclinic.com/

2016-01-01から1年間の記事一覧

私なりの傾聴の仕方 初めて人の役に立てたかもしれない その3

どうすれば人の役に表面的な意味ではなく立てるのか。 前回は、「共感するとは、自分を抑制すること」なら、共感することへの長期的な落とし穴?について考えました。 私は近しい間柄の人に共感するのが苦手であり、それはつまり、自分を抑制することが苦手…

働いてた船の姉妹船がアメリカの選手村に!?

私と同じようにクルーズ船で働いていた鍼師の方から嬉しいニュースが届きました。 リオオリンピック米国選手団が大盤振る舞い、選手村入りはせず豪華クルーズ船をチャーター (http://business.newsln.jp/news/201608030958070000.html) この記事によると、ア…

共感と認知症への私見 初めて人の役に立てたのかもしれない その2 寄り道

「今まで人の役に立てたことってある?」 これを私に尋ねてきた人は、「どうすれば役に立てるのか?」という私からの質問にこう答えました。 「共感する」ことだと。 相手の立場に立ってみる。 よく言われる言葉です。 なんでも明らかにするのは正しいことで…

共感と認知症への私見 初めて人の役に立てたのかもしれない その2 寄り道

「今まで人の役に立てたことってある?」 これを私に尋ねてきた人は、「どうすれば役に立てるのか?」という私からの質問にこう答えました。 「共感する」ことだと。 相手の立場に立ってみる。 よく言われる言葉です。 なんでも明らかにするのは正しいことで…

溜まり席で感じた名古屋場所の息吹 その2

その1からの続きです。 1) 相撲は格闘技 2) 力士の大きさと存在感 3) 座布団の怖さ 1)は書いたので、2)から。 2) 力士の大きさと存在感 名古屋場所が開催される愛知県立体育館には1時半頃に着いたので、十両や幕内力士、また横綱の土俵入りを観ることができ…

溜まり席で感じた名古屋場所の息吹 その1

少し前になりますが、名古屋場所を観に行って来ました。 観たのは、前から6列目の向正面。カメラには映りませんでしたが、力士が歩く道沿いの席であったため、とてもいい席でした。 行ったのは14日目。その時は日馬富士が2敗、白鵬、稀勢の里、貴の岩が3敗と…

初めて人の役に立てたのかもしれない 1

「今まで人の役に立てたことってある?」 親しい人に聞かれました。 皆さんはありますか?人の役に立ったこと。 道を譲ってあげた。 ハンカチを貸してあげた。 などなど。 「役に立つ」の幅はとてもひろいです。 でも、その方がその質問をした文脈はそういっ…

喜怒哀楽と身体表現2

(前回のまとめ) 喜怒哀楽といった感情には特有の身体表現があり、以下のように分類されると考えます。 1)特定の感情につながる身体表現 2)特定の感情につながらない身体表現 3)状況で変わる(未分類の)身体表現 例えば、歯を見せて笑うという身体表現は「哀」…

喜怒哀楽と身体表現

喜怒哀楽などの感情表現と身体表現とについて考えていました。 感情表現と身体表現とは面白い関係があります。 特有の感情表現には特有の身体表現があるなぁということです。 喜怒哀楽によって表現のされ方は違います。 例えば、哀しくて怒号をあびせたりし…

喜怒哀楽のバランスと「いらいら」の未熟さ

前回書いた「人はなぜつながりたいのか」を考える中で色々なことが思い浮かびました。 その1つが今回のタイトルである「喜怒哀楽のバランス」です。 齢が30を超えて思うのが、身体のバランスが崩れてきているなぁということ。 例えば、動くときに一定の箇所…

なぜ深く繋がりたいのか

「人と深く繋がりたいか広く繋がりたいか」「イライラした数秒後に、事件に心を傷める矛盾」からの続きです。 なぜ、私は人と精神的に深く繋がりたいのか。 子供は1人では生きられない。両親やその他、近しい人が育ててくれたから生きられた。 その記憶が、…

身内にイライラした数秒後に、痛ましい事件に心を傷める矛盾

「人と深く繋がりたいか広く繋がりたいか」からの続きです。 「繋がる」で直接的なものといえば、性行為があがるでしょう。 でも、それ以外にも色々あります。例えば、精神的な繋がりなど。 熊本で起きた地震に心を痛めた方が、被災者の気持ちに繋がったため…

人と深く繋がりたいか、広く繋がりたいか

人と深く繋がりたいか広く繋がりたいか。 治療家という職業を選び、どうしてその道を選んだのかを考えた時にそう思うことがあります。 私は満25歳になる歳で鍼灸学校の門戸を叩きました。 それまで、歌手になってみたいなぁとか写真家なんてのも楽しそうだな…

人が在ることへの感動 おざけんへの想い ライブにこと寄せて

(あらすじ)6月上旬に行ったおざけんのライブを振り返る 当日の会場にはびっくりするぐらいのお客さんがいて、彼を好きな人はいっぱいいるんだなと実感。 女性が多かったですが、男性それも1人という私のようなのはあまりいませんでした。。。 こういう生の…

おざけんと船の思い出 ライブにこと寄せて

6月上旬、大阪 Zepp Namba。 おざけんこと小沢健二のライブに行ってきました。 初めて彼を知ったのは大学生と遅かったのですが、「球体の奏でる音楽」や「LIFE」などよく聞いていました。 私には「おざけんバイオリズム」というのがあり、聴くときは聴くけど…

人をみることは人が「絵を描く」その衝動の源に触れることかもしれない 頭蓋に触れる3

前回書いた頭蓋から仙骨までをつなぐ硬膜の呼吸(ここでは第1呼吸とします。ちなみに第2呼吸は肺を通して行う呼吸)の下の層にはミッド・タイド、さらに下にはロング・タイドという呼吸の層があり、ロング・タイドへ近づくほど、その生命体が持つ存在そのもの…

頭蓋骨からさざなみを触れる 頭蓋に触れること2

(あらすじ)6月上旬に参加した「頭蓋」のセミナーのまとめ まず、硬膜へのアプローチから。硬膜は頭蓋骨の内面(骨膜の内側)だけでなく、大脳鎌、小脳鎌、小脳テントという3箇所が頭蓋内に硬膜の中隔(しきりみたいなもの)としてあります。今回は代表的な頭蓋…

頭蓋骨からさざなみを触れる 頭蓋に触れること2

(あらすじ) 6月上旬に参加した「頭蓋」のセミナーのまとめ まず、硬膜へのアプローチから。 硬膜は頭蓋骨の内面(骨膜の内側)だけでなく、大脳鎌、小脳鎌、小脳テントという3箇所が頭蓋内に硬膜の中隔(しきりみたいなもの)としてあります。 今回は代表的な頭…

頭蓋骨からさざなみを触れる 頭蓋に触れること2

(あらすじ) 6月上旬に参加した「頭蓋」のセミナーのまとめ まず、硬膜へのアプローチから。 硬膜は頭蓋骨の内面(骨膜の内側)だけでなく、大脳鎌、小脳鎌、小脳テントという3箇所が頭蓋内に硬膜の中隔(しきりみたいなもの)としてあります。 今回は代表的な頭…

頭蓋に触れること

6月4・5日と「頭蓋」のセミナーに行ってきました。 そこで学んだことを自分のメモも含めて綴っておこうと思います。 頭蓋? どうやって治療するの?? とみなさん思われるかもしれません。 もし頭の中を治療できたら、素晴らしいだろう。 そう思われる方もい…

「現代アート」のまやかしとそれが示す「正しさ」。棒人形がアートに見えてくるからくり

運転していたら聞こえてきたラジオでの一コマ。 新商品を紹介するコーナーで、ある方(仮にAさん)が車内の携帯スタンドを紹介していました。 すると、相手の方(Bさん)が、「単なる棒人形にしか見えませんね。」との激辛コメント。 言うなぁこの人、と思ってい…

動植物にはあって、絵の具や色鉛筆にはない色

オーガニックの食材を扱う店で働き始めてすごく感じることです。 例えば茄子。3月の終わり頃から私の勤める会社では扱い始めました。(夏から秋の食べ物とばかり思っていましたが、場所によってはもう育つところがあるのだと知りました。) その茄子の紫の色…

安全な食べ物と美味しい食べ物の違い

タイトルのようなことを考えたことがありますか? 私は今の会社で働くまで考えたことはなく、ただ漠然と安全な食べ物=美味しい食べ物と捉えていました。 けれど、私の個人的な意見では、決してそうとも言い切れないのかなぁと考えなおすようになりました。 …

メイドのメの字も知らない興味がない外国人をメイドカフェに案内する。 船の同僚が大阪に来航したその5

あらすじ) 船で働いていた時の友人、ネルマリーとブランカが大阪に船で来航したので、私が1日観光に連れて行った珍道中 阪急河原町から淡路経由で大阪ミナミへ。難波にも近いこの地域は、私は香港や台湾などアジアを意識させます。 と言って、アジアな雰囲…

日本に興味がない外国人が日本に来てかき氷を食べると。。。 船の同僚が大阪に来航した その4

(あらすじ) 船で働いていた時の友人、ネルマリーとブランカが大阪に船で来航したので、私が1日観光に連れて行った珍道中 残念ながら口に合わなかったご飯をあとに、いざ伏見稲荷の境内へ。 手水で手と口を洗おうと思い、彼らにデモンストレーションをしまし…

スターバックスの持つイメージと、炭水化物に甘いつゆ。 船の同僚が大阪に来航した その3

「さあ、どうしたものか。」 と今日の行動計画をおさらいしていると、遠くのほうから、"Jun!!!"という声が。 友人のネルマリーが手を振って呼んでいました。 船と陸地という距離感というのはいいものですね。 近いようで遠い。飛行機の着陸ターミナルから友…

船の同僚が大阪に来航した その2(寄り道) ベネチアとフォークアイランドの思い出

一応、中に入れる時間を確認してみると、「11時ぐらいになると思います。」との回答。 前回書いた私の計画が音を立てて崩れていきます。。。 何をどう変更しようか。考えなければなりませんでした。 出鼻をくじかれるも、船で働いていた時、待ち遠しい港ほど…

船の同僚が大阪に来航した その1‏ あなたはどこに案内しますか?

数ヶ月前、船で仲の良かったスパのマネージャーから連絡がありました。 「乗っている船が大阪に泊まるから会おう!」 私は船で三年働いていましたが、友人と呼べる人は数人しかできませんでした。その中の1人がやってくる。しかも船で。 船員の国籍は様々で…

人に会うことの難しさ その2 40年も前に単身渡米する理由

メールにはこの日にこの街にいるという案内だけ。しかし、何度メールを送っても返事がない。 さあどうしようか。もう会うのを諦めるか。と、思ってもう一度メールを読み返すと、なぜか大阪と東京だけ宿泊するホテル名が書かれてあったのです。(後日返信があ…

人に会うことの難しさ その1‏

ある日のこと。船で知り合った日本出身でカナダのバンクーバーに住む方から、「来週日本に行きます。九州方面に行き、大阪で1泊、そして関東へ行ってバンクーバーに戻ります。」と言うメールが来ました。 「ぜひ会いましょう!」などはなく、ただただ旅程が…