喜怒哀楽と身体表現2
(前回のまとめ)
喜怒哀楽といった感情には特有の身体表現があり、以下のように分類されると考えます。
1)特定の感情につながる身体表現
2)特定の感情につながらない身体表現
3)状況で変わる(未分類の)身体表現
例えば、歯を見せて笑うという身体表現は「哀」では普通ありえませんが、「楽」ではありえます。
では、3)はどういったものでしょうか。
それはドキドキです。
ジェットコースター理論ってご存知ですか?
ジェットコースターに乗ると心臓がドキドキする。
それを脳が、好きな人にドキドキしてしまうのと勘違いするため、告白したたうまくいきやすいってやつです。
池谷裕二さんの本で、どうしてその理論が成り立つのか説明されてました。(記憶を頼りに書いているので間違っている部分もあるかもしれません)
「身体表現は感情に比べると曖昧な分類となっているため、脳が勘違いする。」
「脳が認識する感情の数に対して、身体表現の数が多いため、身体表現を感情に割振ることができない。」
とかなんとか。
ドキドキする、涙を流す、鳥肌がたつなど、その時々の状況で身体表現の意味が変わるというのは、上記の説明を読めばなるほどなぁととても納得したのを覚えています。
(ちなみにその本の中で、「脳の能力から考えて、もし私たちの手足が8本ならそれに私たちは対応して生活していただろう。」と言ってました。千手観音もあながち無理ではない。。。のかもしれませんね笑)
「楽しいから笑うのではなく、笑うから楽しいのだ。」
「感情(脳)が身体を支配するのか、身体が感情(脳)を支配するのか。」
「中枢は末端の奴隷である」
治療業界では、これらの文言はとても有名です。
私が知っている限り、その結論はまだ出ていなかったはずです。
卵が先かニワトリが先かというような議論なのかもしれません。しかし、脳がない生き物はたくさんあれど、身体がない生き物はいません。
私のような治療家は医者でもないかぎり、頭蓋骨を開けて脳に直接刺激を加えることはできません。
つまり、四肢などの末端からの刺激を通して、傷みはもちろん鬱などの精神疾患にも対応しようと試みるわけです。(頭蓋骨に触れることで脳にアプローチするという方法はあります。それについては以前書きました。)
感情と身体表現。
他にも分類が出来るのかもしれませんが、今の私ではできません。
臨床経験を積み、患者さんと深く接していく中でさらに気づくことができるかもしれない。
そう思うとわくわくします。