ロンドンの、船上の鍼灸師の日記

2012年から客船で鍼師として働いていましたが、2017年からロンドンで治療家として働いています。治療のこと、クルーズのこと。色々綴っていこうと思います。ウェブサイトはこちら。https://www.junjapaneseacupunctureandshiatsuclinic.com/

つれづれ

あなたは本当に優しいですか。

優しい。 自分はそうありたいし、また家族や恋人、友人もそうあってほしい。 でも、優しいってどういう意味なのでしょう。 「趣味は音楽を聴くこと」 と書いたことに対して、意味があるようでないのと似た(音楽を聴かない人はいないので、聴くのを趣味とする…

溜まり席で感じた名古屋場所の息吹 その2

その1からの続きです。 1) 相撲は格闘技 2) 力士の大きさと存在感 3) 座布団の怖さ 1)は書いたので、2)から。 2) 力士の大きさと存在感 名古屋場所が開催される愛知県立体育館には1時半頃に着いたので、十両や幕内力士、また横綱の土俵入りを観ることができ…

溜まり席で感じた名古屋場所の息吹 その1

少し前になりますが、名古屋場所を観に行って来ました。 観たのは、前から6列目の向正面。カメラには映りませんでしたが、力士が歩く道沿いの席であったため、とてもいい席でした。 行ったのは14日目。その時は日馬富士が2敗、白鵬、稀勢の里、貴の岩が3敗と…

喜怒哀楽と身体表現

喜怒哀楽などの感情表現と身体表現とについて考えていました。 感情表現と身体表現とは面白い関係があります。 特有の感情表現には特有の身体表現があるなぁということです。 喜怒哀楽によって表現のされ方は違います。 例えば、哀しくて怒号をあびせたりし…

喜怒哀楽のバランスと「いらいら」の未熟さ

前回書いた「人はなぜつながりたいのか」を考える中で色々なことが思い浮かびました。 その1つが今回のタイトルである「喜怒哀楽のバランス」です。 齢が30を超えて思うのが、身体のバランスが崩れてきているなぁということ。 例えば、動くときに一定の箇所…

なぜ深く繋がりたいのか

「人と深く繋がりたいか広く繋がりたいか」「イライラした数秒後に、事件に心を傷める矛盾」からの続きです。 なぜ、私は人と精神的に深く繋がりたいのか。 子供は1人では生きられない。両親やその他、近しい人が育ててくれたから生きられた。 その記憶が、…

身内にイライラした数秒後に、痛ましい事件に心を傷める矛盾

「人と深く繋がりたいか広く繋がりたいか」からの続きです。 「繋がる」で直接的なものといえば、性行為があがるでしょう。 でも、それ以外にも色々あります。例えば、精神的な繋がりなど。 熊本で起きた地震に心を痛めた方が、被災者の気持ちに繋がったため…

人と深く繋がりたいか、広く繋がりたいか

人と深く繋がりたいか広く繋がりたいか。 治療家という職業を選び、どうしてその道を選んだのかを考えた時にそう思うことがあります。 私は満25歳になる歳で鍼灸学校の門戸を叩きました。 それまで、歌手になってみたいなぁとか写真家なんてのも楽しそうだな…

人が在ることへの感動 おざけんへの想い ライブにこと寄せて

(あらすじ)6月上旬に行ったおざけんのライブを振り返る 当日の会場にはびっくりするぐらいのお客さんがいて、彼を好きな人はいっぱいいるんだなと実感。 女性が多かったですが、男性それも1人という私のようなのはあまりいませんでした。。。 こういう生の…

おざけんと船の思い出 ライブにこと寄せて

6月上旬、大阪 Zepp Namba。 おざけんこと小沢健二のライブに行ってきました。 初めて彼を知ったのは大学生と遅かったのですが、「球体の奏でる音楽」や「LIFE」などよく聞いていました。 私には「おざけんバイオリズム」というのがあり、聴くときは聴くけど…

動植物にはあって、絵の具や色鉛筆にはない色

オーガニックの食材を扱う店で働き始めてすごく感じることです。 例えば茄子。3月の終わり頃から私の勤める会社では扱い始めました。(夏から秋の食べ物とばかり思っていましたが、場所によってはもう育つところがあるのだと知りました。) その茄子の紫の色…

安全な食べ物と美味しい食べ物の違い

タイトルのようなことを考えたことがありますか? 私は今の会社で働くまで考えたことはなく、ただ漠然と安全な食べ物=美味しい食べ物と捉えていました。 けれど、私の個人的な意見では、決してそうとも言い切れないのかなぁと考えなおすようになりました。 …

メイドのメの字も知らない興味がない外国人をメイドカフェに案内する。 船の同僚が大阪に来航したその5

あらすじ) 船で働いていた時の友人、ネルマリーとブランカが大阪に船で来航したので、私が1日観光に連れて行った珍道中 阪急河原町から淡路経由で大阪ミナミへ。難波にも近いこの地域は、私は香港や台湾などアジアを意識させます。 と言って、アジアな雰囲…

人に会うことの難しさ その2 40年も前に単身渡米する理由

メールにはこの日にこの街にいるという案内だけ。しかし、何度メールを送っても返事がない。 さあどうしようか。もう会うのを諦めるか。と、思ってもう一度メールを読み返すと、なぜか大阪と東京だけ宿泊するホテル名が書かれてあったのです。(後日返信があ…

人に会うことの難しさ その1‏

ある日のこと。船で知り合った日本出身でカナダのバンクーバーに住む方から、「来週日本に行きます。九州方面に行き、大阪で1泊、そして関東へ行ってバンクーバーに戻ります。」と言うメールが来ました。 「ぜひ会いましょう!」などはなく、ただただ旅程が…

旬の感覚のズレとほうれん草

「冬からほうれん草を出荷しているのに、なぜ今も出荷しているのですか?旬で無農薬の野菜を購入したいと思っているのですが。」 先日お客さんからこのような質問を受けました。 我が家ではほうれん草を鍋の具材として用います。勿論、おひたしなどでも。 鍋…

「なぜ寿司は「SUSHI」になったのか」への一考察

タイトルのようなことを考えていた時期があります。 船で働くと全世界の人と話す機会があります。 彼ら彼女らが1番知っている日本の言葉といえば、"SUSHI"でしょう。 ちなみに、"HARAKIRI"、腹切もなぜか知っている人は多いです笑 それぐらいセンセーショナ…

外国の船で働くのに〇〇ができないと・慣れないと。。。 その5 どのように私は馴染んでいったか

結論から書けば、私は馴染めなかったなぁと思います笑 社交的ではないですし、自分から積極的に話しかけていくタイプでもないので。。。 初めは友達を作ろうとパーティーに毎回参加したり、スパの同僚がスパ以外の人と出かけるときに一緒に出かけたりしまし…

外国の船で働くのに〇〇ができないと・慣れないと。。。 その4 船会社毎のコミュニティ

前回書いたように、船で働きだすと、まず船自体に戸惑いを覚えます。 それとどうように戸惑うのが船のコミュニティです。 私は4回の契約で計3社のクルーズ会社で働きました。(私が属すスパの会社は同じなのですが、そこが色々なクルーズ会社と契約を結んでい…

船で働くのに〇〇ができないと・慣れないと。。。 その3 環境

アメリカ領プエルトリコの空港から約20分ほど。 開けてくる大きな港。 今まで見たことのない大きな船、しかもタンカー船とも戦艦とも違う、琵琶湖に浮かぶミシガン(遊覧船です)とは比べ物にならない規模の船がひしめき合って停泊していました。 もしクルーズ…

外国の船で働くのに〇〇ができないと・慣れないと。。。 その3(寄り道)

次は「船という環境」についてです。 まず初めての船に乗るまで、一悶着があったので書いてみます。 私は船に乗るに際し、まずカリフォルニアのロングビーチで研修を受けました。 その研修は3日間の予定でした。 「予定でした」と言うのは意味があり、会社か…

外国の船で働くのに〇〇ができないと・慣れないと。。。 その2 英語習得はやはり環境が重要では

苦労した点その1は英語です。 試験パスしたのにどうして苦労するんだ!と思う人で、もしTOEICやTOEFULを受けられた方ならわかると思います。 例えTOEICで高得点を取っていても、すぐに海外で生活したりビジネスシーンで活躍できません。 テストはあくまでも…

外国の船で働くのに〇〇ができないと・慣れないと。。。 その1

3年船で働いていると、日本人は一般的に英語が話せないと思われているからか、「あまたは英語がうまいね。」と時々言われます。 「どうやって英語を勉強したんだ?」とも質問されましたが、「なんとなく」としか答えられません。 留学もしたことはありません…

船で初めて診た患者さん その3

「何も知らない上に、心の準備ができてないのに。。。」 もちろんそんなことは思っていても言えません。今でなら、「やった!」と思えますが、その時は「うまく施術できるのか。。。」と言う不安で押し潰されていました汗 今でも、待合室にいた患者さんが笑…

船で初めて診た患者さん その2 初めてのエンバケーションデー(乗船日)

船ではエンバケーションデーと言う日があります。 日本語で言えば、「乗船日」、つまり、ゲストが船に乗ってくる日です。 その日はゲストを迎えるために各部門が各部門ごとにゲストを迎えるウエルカムデーとなります。 特に私たちスパ(私が働いていた会社で…

船で初めて診た患者さん その1 若く見られてしまうアジア人

ご存知の方も多いかと思いますが、アジア人はえてして若く見られがちです。 私は今年32になりますが、20代前半とさえ言われたこともあります。 治療家にありがちなのが、若いとみられると、この人は未熟だと思われて信用されないため、鍼を打って自分として…

船で鍼師として働いてよかったか

タイトルのように自問することがあります。 答えは「イエス」です。 なぜなら、他の同年代の鍼灸師より度胸がついたと思うからです。 度胸。 そんなものが、鍼師に必要かと思うかもしれません。 経験と言い換えても良いのかもしれませんが、経験とだけ言うに…

船禁断症状

船を降りて数ヶ月経とうとしています。 船と船との間の休みはだいたい2、3ヶ月です。 目安は1ヶ月につき、陸地での休みは1週間だと言われています。 過去3回の休みも2~3ヶ月の間だったので、ちょうど今ぐらいが本来であれば日本を離れている時期です。 少し…

次も船に乗るのか その4 ロンドンを選ぶまでの道のり

その条件を述べる前に、そこに至るまでの道のりを書こうと思います。 実は船に乗る前に、海外で鍼灸師として働くことは出来ないのかと色々情報収集をしていました。 もう四年近く前の話になります。 その当時はまだ30歳未満だったので、ワーキングホリデービ…

次も船に乗るのか その3 どういう選択肢があるか

陸地で働くが、日本ではない。 まあつまりは海外なわけです。 実は船を降りる数ヶ月前から、次はもう乗らないと決めていたので、アンテナを張り始めていました。 海外にいる友人に聞いたり、サイトをしらみつぶしに見たりなど... しかし、30歳を越えて就労ビ…