ロボットでは効率のわるいことを人間が仕事としてする時代1
クルーズ船で働いている時、契約と契約の間で日雇いのバイトを時々していました。
主に行っていたのは、スマートフォンの部品を組み立てていく作業です。
時給は1000円で残業すれば1日1万円に手が届くというものでした。
ロボットがスマートフォン製造するために作業した部品が私が立っている手元に運ばれます。そして、私がその部品に少し処理を施し、次のロボットだったり人に渡していく。
そんな作業を1日中やります。
時給が1000円に届くバイトはそんなにないため、入れ替わり立ち替り(固定で数ヶ月入る人もいました)、常時何十人もの人が神戸や明石、姫路などの大都市からバスで片田舎に運ばれます。
このまま誘拐されることもあるんじゃないかなと真剣に思うことすら正直ありました苦笑
工場のロッカールームでマスクと帽子を被って(誰が昨日被ったかなどはわからない)、中に入ります。
チャイムが鳴ると、私が組み立て作業の流れの中でどのパートを担うか教えてもらい、あとはひたすら同じ作業です。
再びチャイムが鳴り、10分の休憩→再び作業→昼休み→作業→小休憩→作業→残業もしくは終了。
という1日です。
そこではほぼプライベートな会話をすることなく、回ってきたスマホの基盤に処理を施し、次の工程に回していました。
人と会話をすることはありませんが、作業中、自分とはずっと独り言のように話しています。
「何でこんなことしてるんだろう?」「今日は何を食べようか。」「周りの人はこんなことをずっとしていて幸せなんだろうか。」などなど。
妄想が頭を駆け巡ります。
仕事が終わりその日を振り返った時にきう思いました。
「今日は誰とも話してないな。」
その理由は簡単で、仕事の相手がロボットだったからです。
ロボットが相手だと、当たり前ですが、会話はしません。
ある作業をさせるために、数値を入力したり、故障したらその原因を探して修理するのが、もしかしたら「人とロボットとの対話」になるのかもしれません。
しかし、いわゆる人同士の会話のようなものは、ロボット、特に産業用のロボットの場合はありません。
そのロボットとのコミュニケーションと言えば、私が作業したものをロボットが作業するための台に置くことぐらいです。
そういうことを考え続けていて気づくことがありました。
続きは次回に。