次も船に乗るのか その5 イギリスのために日本で働く
その条件とは、「日本で一年働くこと」です。
イギリスで働くビザ発給にあたり、日本でその会社で一年働いたと言う実績がなければ、発給できないためです。
つまり、日本の会社から転勤という形になるわけです。
その会社は、ロンドンではクリニックを経営しているのですが、なんと日本では経営していません。
元々の母体は無農薬の野菜や安全な食べ物などを販売する会社です。
なので、「日本で働く」にあたり、「鍼灸業」はできなくなる。
それでもよいのかどうかが、ロンドンで将来働けるかどうかの条件だったのです。
もちろん承諾しました。
ビザ取得というのは、本当に難しいのを痛感していましたし、治療業を行う上で「食べ物」は人を診る上で切っても切り離せないと考えていたため、何が本当に自然で美味しい食べ物なのかを知るよい機会だとも思ったのです。
辺鄙なところにあるにもかかわらず、大勢の人が来る洋食屋が私の家からちょっと行ったところにあるのですが、そこのごはんを食べた時に、「違和感を感じる。でも美味しいはず。」と言う経験をしました。
あまりにも化学調味料に私の舌が毒されているのでしょう、本当の自然のものから作り出されたものを素直に美味しいと舌は感じれなくなっていたのです。
それは私にとってとてもショックで、食べ物を知りたいという動機になりました。
なので、この一年は「船上の鍼灸師」ではなくなります。
タイトルも変えるかなぁ。