子供の初めてのあくび→アリクイはあくびで口を開けない
子供が初めてあくびをしました。子供が後ろハイハイをした時も、「おー!」って不意に子供の成長を感じることがあります。
掴まり立ちをしだしたこの時期だからこそ、頚椎の前弯がしっかりすることで頭蓋が背骨全体で支えられるようになったのかな。そういう条件が整った時に初めて、「上顎を自由に開ける=あくびができる」のかと想像してみる。
成長した時にどうしてそれができるようになるのかを考察するのはとても面白いです。
人があくびをすると自分もしたくなるというのは何かの心理実験で聞いたことがありますが、もっと生理的な意味ってなんだろう。
この記事を見てみると、あくびの定義なんて実は決まっておらず、口を大きく開けて閉める行為のことを指すものでしかないことがわかります。求愛や威嚇のために人間はあくびしないし…
でもほぼ全ての脊椎動物があくびをするというのが事実なら、あくびに背骨が必要だというのは言えるんだろう。
あくびって面白いなと思って他にも検索してみたらアリクイのあくびが出てきました。これはもはや、あくびじゃなくて伸びです。
www.higashiyama.city.nagoya.jp
解説の中で出てくる、「アリクイは体の構造上開けらない」という一文。気になるな…
X線とか見たい!ということで画像検索をしたらアリクイの骨格が出てきました。
このアリクイの写真は以下の写真家さんのものらしいですが、骨の構造が綺麗にみえてとても勉強になりました。(買ってしまった…)
写真を見る限り、第7頚椎で首を動かして、第2頚椎で顔を微調整するんだろうなと思う。構造上開けられないってどういうことなんだろうと思いさらに調べてみると面白い記事が出てきました。
抜粋しますと、
「アリクイの顎には、歯を使って餌を噛み砕く機能は無いのです。つまり口をひらいて噛む構造になっていない、これが口を開かない理由」
「アリクイの長い下あごは左右の対に分かれていて、長い下あごを左右別々に動かすことが可能」
「舌は1メートル近くまで伸びるとても長いものですが、狙いを定めるために、左右の顎をできるだけすぼめて舌を発射しているのです。逆に捕まえたアリをのどへ運ぶためには、舌を口の中に戻さなければなりません。戻すときは口が大きくないとうまく舌を収納できませんから、顎をハの字に開いて、できるだけ口の体積を広げるのです。」
「動物にとって、顎は物を噛むために開閉する装置だったはずですが、このアリクイにおいてだけは、アリを捕まえるために、舌と同期・シンクロして動くという、まったく別の機能をもっている」
横の骨格模型ではみえないが、下からアリクイをみると下顎骨が2つに分かれてるんだろうなということがわかります。第2頚椎を軸に使って、左右の下顎の微調整をしているんだろな。(もし第2頚椎に顎を動かすというのが普遍性であるなら、人間が左右に顎を動かすという行為もC2で調整できるのかも)
脊椎動物における歯と顎の関係が、アリクイにおいては舌と顎の関係になっている。「食べる(=ものを細かくする)」が普通上下の空間で行われているのに、アリクイの場合は左右の空間で行われている。
何れにせよ重力を用いて自分の力を利用するのは変わらないと思いますが…
変わった動物だなぁと思い、生態も気になって調べ見たら、これが驚きの連続。
「最大の特徴は、胃酸がつくられないことでしょう。ではどうやって消化するのかといえば、アリの持っているギ酸を使います。オオアリクイにとって、アリはエサであり胃液でもあるのです。しかも哺乳類の胃でありながら、鳥類がもつ砂のうと同じ働きをします。硬い胃壁が激しく収縮し、食べた砂や土でアリをすりつぶすのです。オオアリクイの胃は、エサを細かく砕く、歯の役割も兼ねています。」
「オオアリクイは超早食い。1回の食事を1分で終えます。アリの巣(またはアリ塚)に顔を突っ込み、60㎝の長い舌を出し入れしてアリを飲み込みます。舌の表面はとても粘着力が強く、舌に触れたアリはもはや逃げられません。1分間で150回も舌を出し入れし、1000匹以上のアリを腹に収めるのです。」
アリを食べることで、アリの中にある酸を使ってアリを消化、吸収する。すごい複雑ですが、アリを食べる(甲虫の幼虫や果物を食べることもあるそうです)ことに特化することでこういう生態を生み出したのか生み出さざるを得なかったんだろうな。
でも冷静に考えれば、私たちがヨーグルトを食べることでビフィズス菌や乳酸菌を腸内に住まわせるのと根本の原理は変わらないですよね。
アリクイって面白いな。あまりにもかけ離れた生態すぎる。
背骨があったり、あくびをするというのは共通だけど。
#アリクイ #あくび #奇妙な生態 #子供のあくび
身体の痕跡とテニス肘。私の身体観について
前回のテニス肘の症例からもっと全体的に補足というか考えていることを書こうと思います。
https://acupuncturistontheship.hatenablog.com/entry/2020/07/11/192454
手足には体がうまく使えているかどうかがわかる様々な痕跡があります。
パソコンを使っていると指や肘、肩が疲れるいうのは、つまり、体幹の力が末端にまでうまく伝わっていないということです。
身体は体幹、つまり中心では身体を動かすためのエネルギーを作り出し、末端になればなるほどその力を微調整して繊細に正確に伝えるという構造があります。
もしデスクワークで肩が凝る方がおられたら、本来背中でタイプなどをしなければならないのに、代わりに肩がタイプを打つための軸となって仕事をしているせいで、過負荷がかかってしまっています。
テニスやゴルフのフォームの崩れでおきるテニス肘、ゴルフ肘も基本的には上記の考え方と同じような理論で生じます。
背中で力を生み出し、手は添えるだけでボールが当たる方向を調整するのが球技のフォームの基本です。
それが背中や腰、膝、足首などのバランスが崩れていることにより、肘に過負荷がかかるため痛みとして生じてしまうわけです。
身体の動かし方、今までの怪我、手術、内科疾患、婦人科疾患など過去の痕跡を多角的に考察することで、その症状の原因を考えていけるんじゃないかなというのが僕の基本的な身体観です。
首を傾ける癖とテニス肘
症例報告
30代 男性 会社員
主訴: テニス肘(右肘外側)
先週末にぬかるみの中でテニスをしていたところ、右肘外側に痛みが出るようになった。特にバックハンドでボールを打つ時に出る。
肘の外側自体はそこまで硬くなかったため、このテニス肘は患部が凝りすぎて生じたものではなく、違う箇所が硬くなりすぎているために生じた「結果」だと推測。
姿勢とバランスを観察したところ首を右に傾ける癖があり、その癖のために今回の症状が出ていると考えた。そこで、その首の癖が戻るように、ふくらはぎと背中、肩甲骨をメインに施術。
患部には全く鍼をしなかったが、強く自分で患部を押さない限り痛みが出なくなった。
身体の構造的に、首を傾ける癖のせいでバックハンドの時に肩を捻って打つことが出来ないため今回の症状が出ていることがわかったので、それも合わせてアドバイスをしました。
週末からテニスがまたできると喜んで帰られました。
原因が患部にはない場合、どうすればその痛みが予防できるかも患者さんの構造や癖を考えていくことでアドバイスができます。
毎回というわけには行きませんが、原因を突き止めることができれば1回でも痛みを取り除くことができます。
私の考えは、痛みは結果であり原因ではないというものです。
色々なところへ行っても痛みが取れなかった方がおられましたら、ぜひ一度ご相談ください。
朝に一番酷い親指と手首のピキッとした痛み。甘いものもあるか…
50代女性 職業:ツアーガイド
症状:特に起床時の親指の痛み。伸ばすと付け根に痛みがピキッと走る
1ヶ月ほど前から親指の付け根に痛みがくるようになり、今ではペンを握って書くのでも痛みが出る。原因はよくわからない。
親指に痛みが出る人に多い人の特徴の1つとして「前腕が内旋し過ぎている」ことが挙げられます。
背中及び肩甲骨から腕を曲げて手を使えていればこういうことは起こりにくいのですが、背中を使う代わりに前腕を捻って手だけを使う癖がついていると、このような形で痛みに発展することが多いです。
この方もそうで、腕だけで作業をする癖がつくと、次に手根骨(手首を構成する骨)がずれてきます。すると余計に手と背中の連動が悪くなってきて、手に余計に負担がかかるようになります。
この方は仙骨と骨盤に鍼でアプローチして背中、肩甲骨が動きやすい素地を作った上で、腕との連動を高める為に背骨、肩甲骨にアプローチをしたところ、痛みが半分に。あとは、親指の動きと連動している上腕部のツボにアプローチをして終了。
2回目
前まではペンを持ったり箸を持つのも痛かったが、日常生活ではほぼ気にならないレベルに。まだ朝起きた時は痛い。
前回と基本は同じだが、捻りが加わっている前腕及び手根骨が元に戻りやすくすることによりフォーカスする。橈骨と尺骨の間の骨間膜や親指の筋膜を解放することで、ほぼ痛みはなくなる。
最後に無理して親指を伸ばすと痛みが出るということで、以前から参考にさせて頂いている先生のブログを元に膵臓へアプローチを試みる。(*左手で膵臓にお腹上から手を触れてもらって親指を動かそてもらったところ痛みが改善した。)
http://ab3141592.livedoor.blog/archives/2637078.html
親指近位だったので甘いもの増えてるか確認したところ、コロナ自粛でやはり増えていました笑
痛みがなくなったので治療終了。
背中から腕を使う連動という「構造」は、内臓の状態もやはり考慮すべきなんだなと改めてしない思う症例でした。
初夏@ロンドン
#親指の痛み #膵臓 #連動 #甘いもの
#ロンドン
足の小指が逆子に効く原因を考察してみる
逆子に至陰という足の小指にあるツボにお灸をすると治ると言われています。
至陰という足の小指の付け根にあるツボは逆子に対してとても効果があるとされ、有名なツボです。
ではなぜ至陰を使うのでしょう?経絡やエネルギーという観点以外に説明はできないのでしょうか?私なりにどういうメカニズムがあるのかを考察してみます。
特効穴を特効穴としてストックしておくことは大切ですが、その一方で、なぜ効くのか考えておかないと応用はききません。特効穴を100個いや1000個覚えて様々な症状に対処するか、特効穴がどうして効くかを考えておいて、その場で臨機応変にツボを取捨選択していくか。
どちらも間違いではないですが、僕は後者のようなセラピストでいたいなぁと思っています。で、至陰に話を戻します。
ちなみにこれは整動鍼公認としての考察ではなく、あくまで僕自身の考察です。
まず改めて整動鍼発案者の栗原先生のブログを読み返していたら、やはり「至陰と逆子」についての記事がありました。
冷えとのぼせの関係や、お腹を丸くするなど、読み返してもなるほどとうなずくことが色々とあります。それにプラスして考えるとすれば、至陰を使うとお腹が丸くなるなら、至陰はどのようにお腹を変形させているのかということだと思います。
至陰に刺激を入れる理由としては、至陰に刺激が普段入っていないor刺激が入りすぎているから入れることで調整するという主に2つが挙げられるのではないかと思います。
私の妻が妊娠してから妊婦さんをより観察するようになりましたが、妊娠さんはお腹が大きくなることで股関節を開いて歩いてしまいます。すると足全体を外に開いてしまいます。(いわゆるガニ股)。そして(胎児が前に出るので)腰が反ります。
また、脚全体が外に開くにつれて足首も外に開こうとします。
足を開いたまま歩き続けてみるとわかりますが、足首がロックされ続けるのって結構しんどいです。(足首の主な関節である距腿関節自体も内外旋、内外反しますが、股関節に比べるとその動きは僅かです。)
そこで、ロックされている足首の圧を逃すために、足の親指を天井に小指を地面の方に捻って(足首の内反がメインで多少の外旋)歩いてみたら楽な感じがしませんか?(私は固定されるのを嫌ってそうしてしまいます。)そうなる妊婦さんが一定数出てくると思うんです。
また股関節が外旋すると、それに合わせて寛骨(骨盤の骨の1つ)が外に開き、その分、坐骨が内側によります。するとお尻や肛門のあたりは常に締め付けられるので血流が悪くなり、胎児には居心地が悪いものとなります。
こうした状態が続くと子宮口近辺よりお腹の上の方が居心地がいいので頭を上にするようになる「→逆子となってしまう」のではないでしょうか。
※これは骨盤と脚の位置を考えた場合の私の私案です。全ての妊婦さんが大なり小なりこの歩き方になりますが、もちろん逆子にならない人もいます。ならない要因としては足を捻らず歩く人がいたり、食べ物による体の浮腫みや運動習慣による血流状態など他の要素が絡んで来ると考えています。
ではなぜ逆子に至陰なのでしょう?
足を捻って歩くことで小指を固めて歩くようになり(=歩くときの軸が小指の付け根になる)、小指の関節を固めてしまいます。
またその時、歩く時の軸が腰から小指に移るので余計にお尻を締めて歩かざるを得ません。(腰を反らしていることもあり軸にできない分、小指と臀部の2点をテコにして歩く感じになります)
すると余計に下腹部が窮屈になって血流不全となります。(捻ることで足を開きながら歩くのは楽にはなりますが、骨盤へは悪影響が及んでしまいます)
ここで出て来る「足首内反による足の小指の固定」という条件の時に至陰を使うと効果的なんじゃないのかなと考えます。そこにお灸を据えることで小指の関節の強張りを緩め、子宮周囲の強張りを解くわけです。
じゃあなぜお灸なのか?小指の爪の付け根なのか??そこは私にはわかりません。
至陰にお灸ではなくて足の指の関節の付け根に鍼でもいいんじゃないか?と考えます。
個人的にはそれでもいいのでは?と判断していますが、まだ症例数が少なく、はっきりとは言えません。でも上記の条件が揃った時に関節の付け根に鍼をしたところ、逆子に対して効果が出ました。
このようにして、身体に起きている症状の原因を身体の動きと構造から紐解いていきます。
ヨーロッパ在住の方でこういったアプローチの施術を受けてみたいという方がおられましたら、ぜひご連絡ください。
小指でイメージ検索してみたら、結構面白かった笑笑(イギリスにいるせいか、ひらがなを入れないといつも中国語検索になってしまいます…)
初めての渋谷らくご
渋谷らくごってご存知ですか?
僕はPodcastでずっと聞いてるんですが、そこがこの度、5月公演を初めてオンライン上でやるとのことで、オンライン寄席へ行ってみました。
これは新規のお便りが2通来たら、podcast配信してくれるというので、思い切ってお便りを書いてみました。
Podcastで読まれるかわからないんですが、とりあえずこっちに感想載せてみます。
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私は海外のクルーズ船で鍼師として働いたのち、縁あってロンドンで鍼灸の職を見つけそのまま定住しているものです。
日本へも時々帰っているのですが、関西在住なので東京へは行けなかったり、東京へ行った時もシブラクのタイミングにあわなかったりで、せめて米粒写経さんが出演されていた寄席を観に行かせてもらっていました。
ところが今回、コロナ騒動を受けてのオンライン配信。
ずっとポッドキャストでお世話になっていたのでやっと恩返しができる!ということで都合のついた最終日の最後の配信を購入しました。(私も鍼灸師なので無料でとか色々言われることがありますが、やはりプロの方にはお金を落としてこそ、その方への敬意が払えると思います) これが演目です。
「渋谷らくご」 菊之丞シリーズ!2020年5月 | 初心者でも楽しめる「渋谷らくご」
普段あまりSNSとかしないので、下調べなくウェブサイトの経歴だけをみて配信に臨みました。それでびっくりかつ面白かったのが春風亭百栄(しゅんぷうていももえ)師匠でした。
まず、サイトの経歴だけ読んで実は百栄師匠のことを女性だと思っていました。かつ頭の感じからして、意識的に女装されておられるのか…と思っていたら、結局そのあたりはよく分からず。しかも高座に上がる時すごい挙動不審だし。(未だにあれは演技なのかあの方自身の性質のものかはわかりません…)
そんな見た目はさておき、百栄師匠の豹変ぶり、あの間、あの毒、内容全てが新鮮でとても面白かったです。あの話、どこまでが本当なんだろう。一之輔師匠のくだりとか。
シブラクにもバーチャル上でしたが観に行けて本当によかったです。
子供が最近できたのでシブラクへお邪魔できるのはずっと先になってしまいますが、その時までシブラクが続いていることを、心からお祈りしています。
コロナ騒動で不安なことなど色々ありますが、こうしてシブラクに行けたのは数少ない良かったことの1つです。またポッドキャスト、オンラインでの配信楽しみにしています。
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落語や寄席に行って感じて体験できた、僕に取って大きな財産の一つは「歳を取ることでしか魅せること、できないことがある」ということです。
昨今、世の中は歳を重ねた人が若くなろう若くみせようとする風潮がありますが、落語家さんには「年老いたことを年老いたまま見せよう」という人がいます。
それは初めて味わった体験で、とても良かったです。よくわからないという人は、ぜひ生で落語や漫才をみてください。
子供ができてから1度しかライブに行けてない!コロナになれば尚更だ!と思っていましたが、この騒動で久々に緊張感のある場に行けたなぁと思います。
治療が早くしたいなぁ…
Bone= communication between gravity and our body
My child cut her lower teeth. Like bone spur, it grows through the communication between gravity and her body.
If we consider that lower teeth was born against gravity, it would be interesting to recognize bone as body position information.
Ascending colon is also very interesting that works against gravity.
I think it is the important point because impurities tend to accumulate.
When I heard that "get the hang of 〜= grab the bone" in Japanese, I was conscious of the clavicle to treat shoulder. I remember that I fully understand its meaning at that time.
Since then, I have always kept this phrase in mind while I treat patients.
Nik Bärtsch live set on 15th Nov. 2019
It’s like teeth!
#Baby #tooth #acupuncture #gravity