鍼灸業界のアイドル
今週のお題「私のアイドル」
このお題をみて改めて考えると、鍼灸ないし治療の業界の人にとって、特にキャリアの初めに「自分のアイドル」となれる人が見つかるかはとても大切なことだなと思いました。
というのも、この業界で絶対と言ってもいいぐらいぶつかる壁の1つが「実費で食べていけるか」です。
整骨院や病院のように保険請求をして食べて行くのではなく、国民保険に頼らずに、実費だけで食べて行きたい!
と思う人は大勢いますが、そうは中々問屋が卸さない。
そこまで行くには、地道に力をつけないといけないし、もしかしたらそれ以上に、マーケティングのことや話すこと・話し方なんてのも必要になってきたりします。
そうして心が揺れ動いて、整骨院でこのまま働いていいのか、とか、でも収入が安定してるし整骨院で勤め続けようとか葛藤する鍼灸師の人は数多くおられます。
その時に心の支えとなるのが、自分にとってアイドルとなる人がいるかどうかだと思います。要は、師匠ですね。
私は脱サラしてこの業界に来たので治療師としてのキャリアは遅く始まりました。
でも、会社員の時に時々通っていた整骨院で、そこの先生に「会社を辞めてこの業界で働いてみたいんです。」と意を決して相談したところ、実費の鍼灸院を営まれているその先生の師匠に当たる方を紹介してくれたのです。
それを機に、週末に片道2時間以上かけてその師匠の元で勉強しつつ、平日は会社員で普通に働くという生活を1年半ほどしました。
会社を辞めて学生だった時も、週末はその師匠の方がされてる勉強会にお邪魔しつつ、平日は学校に行きながらクリニックで働いていました。
その後もその師匠の別のお弟子さんのもとで実費の鍼灸院で学んだりして、クルーズで働くキャリアへの道が続いて行きました。
実費で食べて行こうとするなら、実費で食べてる人の姿をみないと、食べて行けないと思います。
働けなかったのですが、何度か見学に行かせてもらったとても忙しい鍼灸院の先生が仰っておられて、残っている言葉があります。
そこは1回4千円という治療費だったのですが、見学してる私に「4千円がどういうものなのか知っておかないといけない。例えば、1回4千円でどういうものが食べられるかとか。4千円の価値、ないし、自分の治療がどういう価値と等価を知っておかないと、どういう思いで患者さんがこのお金を払って治療を受けに来てくれていただいてるかがわからないよ。」と言って下さいました。
その言葉はとても残っていて、来ていただいてることを当たり前に思っちゃ行けないなと、今この日記を書きながら改めて痛感しています。
でも、保険が収入のメインであったなら、そういうことを感じにくくなってしまいますし、実費をもらって生きているこういう方の考え方は出来ないかもしれません。
そういう意味で、私は働いているキャリアの中で自分にとって尊敬出来る「アイドル」
が何人もいて、恵まれているなと思います。
アイドルの先生方、ありがとうございます。
今日も精進していきます。
私もいつかイチローのようにレジェンドに…