30を過ぎると自分の人生は見えてくるのか。その2
以前ブログに書きましたが、船から降りて同世代の友人と日本で久しぶりに会った時に「彼らは大地に根がはり、住んでいる土地と繋がっている。」という印象を持ったと書きました。
前回書いたように、私は大学を卒業してからの10年強は何もかもが目まぐるしく変わり、今イギリスに向けて準備しています。
ちなみに、自分がまさかトラックの運転手をやるなんて、考えてもみていませんでした笑
振り返ってこの10年、自分の人生を不安に思うことは多々ありました。
1番の理由は、周りに手本・道標となる人がいないことです。自営業をされている両親の元で育った子供は、人とのやり取りがうまい。自営業をやっても成功しやすいなんて言われますが、それは両親という手本がいるからなのだと思います。
私も会社に入るまでは、日本人としていわゆる典型的な人生のコースを辿っていました。
でも「鍼灸師になる」とどういう因果か決めてから、急に周りに手本がいない人生に。
鍼灸整骨院でお世話になった先生のお師匠さんのところに週末だけ勉強させてもらい始めたのが、この世界を知る第一歩になりました。
もしその整骨院に縁あって通っていなかったら、今までの道は全てなかったんだなと思うと、不思議な縁を感じざるを得ません。
そして学校に入学後、もちろん、鍼灸の学校ではクラスメイトや務めたり勉強させてもらった先生がいたため、新たに参考となる生き方を知りました。
でも、船で働こうと決めたら、再び手本のない状態に汗
それもまた、船で働くために斡旋された英会話学校を通して紹介されたSNSのコミュニティで参考になる生き方を知りました。
そして今、イギリスへ。
船で働いていた鍼灸師の方は、その後海外で働いている方は(私の知る中では)ほとんどおらず、日本に戻って就職・開業という方が大半です。
海外で働き口を見つけるのは、船で働くよりも狭き門になるためです。あと、船で働く目的が「旅」であるなら、海外で働くことを視野に入れないのも当然かもしれません。
イギリスへ行けば、職場に日本から渡って働いておられる先輩方がおられるので、また私にとって手本になる生き方をされている方に出会うのでしょう。
ここまで振り返って、4度ぐらい自分の人生の方向を変えてきたわけですが、その度に、そういう生き方をされている人たちに出会ったなと思います。
生き方を変えようとすると、必ず不安が伴います。
それは言葉では言い難い不安です。
その不安が嫌だからこそ、人は大学を卒業して、ある会社に就職したら、基本的にはそこで働き続けようと思うのでしょう。
大学の友人に会った時、「10年社会人をやって、自分が会社でどれぐらいの地位にまでいけるかとかの将来の絵が描けるようになったわ。」と言っていました。
私はすごく寂しかったのですが、それが現実なのかもしれません。
30を過ぎれば自分の人生は見えてくるのか。
寂しいその諦めは良いものであり悪いものでもあります。
家庭をもって女性が専業主婦になるというのも1つの諦めであり、それはまた新しい覚悟とスタートであるのと同じように。
私は所帯のない身であるからこそ、このように身軽に動けるわけですし。
私は私の道を邁進していこうと思います。