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英国の、船上の鍼灸師の日記 the diary of acupuncturist on Great Britain, cruise ship

2012年から客船で鍼師として働いていましたが、2015年はイギリスで働くために有機食品の会社で働き、2017年からロンドンで再び治療家として働いています。治療のこと、クルーズのこと、食べ物のこと。色々綴っていこうと思います。

分かり合えないという安心感 あなたは地面に根が生えていますか3

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私は生まれてこのかた、あまり土地に馴染んだことがないというじれったい文章を1、2で書きました。

 

「2」の最後にも書きましたが、私は順調にいけば今年の末にイギリスに行きます。

もうイギリスまで半年ありません。早いものです。

 

どこへ行っても馴染めないという奴が、

イギリスという異国で根が生えるのか。

 

正直、私にはわかりません。合うかどうかもわかりません。

出たとこ勝負!という面もありますが、そんなこと言える年齢じゃないだろうと最近たしなめられました。。。

 

でも、船で3年間働いた経験から言えることがあります。

それは「海外のほうが息がしやすそうだ」ということです。

一人旅でインドネシアやヨーロッパに二週間とか一か月行ったことはありましたが、半年以上外国で生活するということは今までありませんでした。

船に住み始めた時は英語も話せず(試験もパスして話せると思ってました。でも現実はそんなに甘くなかった。)、日本人は私1人という環境は、初めは辛く泣いばかりいました。

でも慣れてくると、楽しいというよりは同じ漢字で意味が違う「楽(らく)」になってきたのです。

 

その1番の要因は、「お互い分かり合えることはない」という共通認識・ある種の諦めだと思います。

以前にも書いたことがありますが、私には「日本が日本人だけで構成されている」という錯覚に日本人が無意識にとらわれていると思っています。

だから例えば、「空気を読む」という言葉があるのではないでしょうか。

 

私は空気が読めないとずっと言われてきました。

私なりに読んだつもりが、周りからすると読めていない。

その溝が私に土地に馴染めないという感覚に陥らせたのかもしれません。

 

その溝。

外国に住んだ場合、溝は薄くなるんだなと気づきました。

だから船の生活が楽なのだとわかったのです。

世界史は詳しくありませんが、ヨーロッパは侵略の歴史だと聞いたことがあります。第二次世界大戦から70年以上経ちますが、西ヨーロッパでそんなに長い期間大規模な戦争が起きたことはないとかどうとか。

そんな歴史を持つ大陸だからこそ、「お互い分かり合えることはない」と心の奥で思っている節があると私は船で感じていました。(アメリカ人はもっと「分かり合えることはない」と思っていると考えていますが)

 

女性が多いからなのか、多国籍だからなのか、私が働いていた船上のスパは喧嘩が絶えませんでした。

本当に多かった。

でも、我慢して黙り合うことはなく、結構がちで衝突することもありました。

 

チームの状況が本当に悪いこともありましたが、まあでも、ぶつからずに変な緊張感だけが支配するよりましかと思ったのです。

 

外国人同士が集まって、一緒に何かをするのは大変です。

時には5カ国以上の人が同時に、英語もうまく話せない中で何かをチームとしてやろうとするわけですから。

 

そういう時に、「結局、分かり合えることはない」という認識を持てば、我慢できる度合いが増えるように思うのです。

 

なので、日本で生活するよりはイギリスで生活するほうが私にとっては楽に生きられそうに考えています。

 

同じ国の人同士の気楽さがあるように、違う国の人同士の気楽さもまたある。

 

 

いつか地面に生える日がくるのか。

わくわくしすぎず、ビビりすぎず、自然体でイギリスへ行く日を迎えようと思います。