気管支喘息に手首のツボが効く!という考察
この症状にこのツボが効きます!
という謳い文句を、仕事柄よく耳にするというか、どうしても治療業界、しかも鍼の業界に携わっているとピックアップしてしまいます。
どの業界でもよく使われる言葉なんてのがあり、IT業界にいる人は違う謳い文句をよく耳にするんだと思います。
鍼灸の学生だった時や資格取り立ての時には僕もよくそれを参考にして施術していました。
ところが、年数を経て患者さんを診ていくようになると、この症状ならこれが効くはず!と思っているものが全く効かずに焦る。。。というシチュエーションは誰にでもあります。(逆になかったらすごい!)それでまた試行錯誤が続き、少しずつ施術家としての幹が太くなるというのが、施術家の現実でしょう。
船で働いていた時は持ってきた本も限られていたし、ネットの環境も限られていたので、自分で試行錯誤するしかありませんでした。
そういう中で考えていったのが「どうして気管支喘息に手首のツボが効くのか。」また、「どういう時に手首のツボは気管支喘息に効くのか。」ということです。
手足など末端にあるツボが首や肩、腰などの体幹にどうして効くのか。
全部とは言いませんがその理屈の大半は連動という概念で説明できると考えています。連動→連なって動く。(その全てのベースは呼吸と歩行だと個人的には考えています。)
末端と体幹が関係を持ちながら動きは成立し、末端は体幹へ体幹は末端へと力が伝わります。
つまり、手を振って前へ出ると、その力は前腕→上腕→鎖骨を経て体幹に伝わる。(上腕から胸郭というルートもあり。)
例えばスマホやパソコンのし過ぎで指の筋肉を使いすぎ、手首が内に捻られていたら、その内に捻られている力が鎖骨へ行き、体幹、特に上位肋骨へ伝わる。
肋骨が硬くなるということは、肺の動きも制限されてうまく呼吸ができなくなります。すると、元からアレルギー体質である身体であれば、喘息を引き起こしてしまうかもしれない。(アレルギー体質にならないように気をつけていれば喘息にはならずただの肩こりで終わるかもしれません。)
じゃあ全ての喘息に手首のツボが効くのかといえばそうではなく、「手首を内に捻る筋肉が硬くなり、上位肋骨の動きが悪い場合」に限るのではないでしょうか。
(それ以外でも条件しだいでは手首のツボが効くケースもありますが、それは手首と肋骨との別のつながりを説明しないといけないので今回は省略。)
これは勿論僕の考察であり、異論を唱える人もいるでしょう。でも、この症状にこれが効くと覚えるより、このツボはなぜこれが効くのかを考える方がどう考えても合理的だし、応用が効きます。
そうすることで、臨床で焦らなくてもいいように僕はなっていきました笑笑
これっていつも思うのですが、歴史の学習に似ているなと思います。ただただ人物名を覚えるだけじゃなくて、どうしてこの人物がこの時に出てきたんだろうというように。また、ソニーやパナソニックが昔は白物家電を席巻していたのに、アップルがなぜ今世界中のシェアを伸ばせたのかを考えるように。
ツボの意味を考えることは世界の成り立ちの意味を考えるんじゃないか!
なんてたいそうなことを考える今日この頃です。