英国の、船上の鍼灸師の日記 the diary of acupuncturist on Great Britain, cruise ship

2012年から客船で鍼師として働いていましたが、2017年からロンドンで再び治療家として働いています。治療のこと、クルーズのこと、食べ物のこと。色々綴っていこうと思います。

発展途上国へ行った時にみんなが思うことは失礼にあたるのか

最近、忙しくてブログが更新出来ていません。

去年、有機食料品店で働いていた時は、4日に一度と決めて、出勤前に10−15分前に職場について、近くの橋の下で、ガラケーに文章をがががっと詰め込んで、ブログの送信アドレスに送ってました。

昨日、東京ポッド許可局というラジオで「タイムスリップ論」という話で、ある匂いや風景に出くわすと自分の昔の情景がまざまざと思い浮かぶという話をしていましたが、私にとって、今、このブログを書き始めるという行為で、去年橋の下でブログを書いていたことを思い出しました。

 

そんなことはさておき、先週、ポーランドクラクフへ行ってきました。ここはアウシュビッツで有名な場所ですが、クラクフ自体もポーランド第二の都市でかわいい街です。

アウシュビッツは2回目で、大学卒業前にヨーロッパを一ヶ月かけて一人旅をした時に、どうしても行きたくて、チューリッヒから27時間ぐらいかけて、バスで向かいました。それもいい思い出です。アウシュビッツでも以前行った時のことを入り口の門を見た時にタイムスリップしました。

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それも今回の主題ではありません笑

ポーランドには計4人で行っていましたのですが、全員日本人で、僕らの会話でメニューなどを見た時に出てくる一言目が、「安いなぁ」というものでした。

ポンドがブリクジット以降安くなったとは言うものの、1ポンド≒150円ぐらいで、ポーランドの硬貨、ズロチでは1ポンド≒5ズロチでした。

例えば、一度ちゃんとしたポーランド料理を食べようということで、きちんとしたレストランに入ったのですが、そこで出たメインの料理が11ポンドぐらいでした。ロンドンではありえない値段です。何だったら、イングリッシュブレックファーストですら、それぐらいの値段がします笑

 

外で食べる度に「安いなぁ。」という会話をみんなで交わすわけですが、その言葉を私は途中から使いたくなくなってしまいました。「すごい失礼なことを言ってないか。」と思ったからです。

私がもしポーランド人だったとして、日本語が理解出来てたら、その会話を決して気持ちよく聞けないよなと思ったわけです。

安いなと思ったのは嘘ではないですし、ポーランドの物価が安いからこそ、逆にポーランドの人がイギリスに来て働いて、ポーランドに持ち帰ることで大金を手に入れることができます。それはクルーズ船でなぜ発展途上国の人たちが、狭い部屋を我慢して、半年以上も祖国を離れてもなお働く理由でもあります。

 

でも、安いという言葉を発した時に、自分の中にどこか差別する意識があるなと思ったし、友人が発する言葉の中にも含まれてるよなと思ったのです。

 

インドネシアに大学時代一人旅をしたことがありますが、バリ島で子供を抱えたお母さんがそれはとても強い眼差しで、私に手を差し出し、お金を恵んでくれと言ってきたことがあります。私はそれを振り払うも、なお彼女は手を私に向けてきました。

それはきっと、「お前はここまでこれるほど裕福なのに、どうして小銭でさえも恵んでくれないのか。」という意識の現れだったのかもしれないと、今振り返ると思います。

 

クルーズ船で様々な国籍の人たちの中で働いていた時に考えていたのは、どうしてある人はイギリスで生まれ、アメリカで生まれ、フィリピンで生まれ、チリで生まれ、私は日本で生まれたのかなということです。

そこを考えることに意味も答えもありませんが、仮に日本で貧しく・つらい環境で生まれたとしても、労働の賃金ということを考えれば、日本で生を受けたことは幸運なことだということです。違う国からわざわざ、働こうと思おうと思わせる魅力が賃金的にある国で生まれたことは、それだけで、相対的に見ればもう、すごく幸運なことだと思います。

 

日本から海外で働きたいと思う人たちが、先進国はいいけど、発展途上国は嫌だなと思う理由の1つは、賃金が安いので、日本に戻りたいとき戻れないかも。。。というものだと聞いたことがあります。その現実は、逆もまた現実なんだと言うことです。

 

話を戻すと、ポーランドで思ってしまった、「安いなぁ」ということ。正直、日本で生まれてしまった限り、思わないでいることは難しいと思います。でも、国を訪れた時にはせめて、それを口にしないでおこうと決めた、ポーランドへの旅でした。

 

左下のウサギはポーランドで買ったものです。かなり気に入っています。

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