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英国の、船上の鍼灸師の日記 the diary of acupuncturist on Great Britain, cruise ship

2012年から客船で鍼師として働いていましたが、2015年はイギリスで働くために有機食品の会社で働き、2017年からロンドンで再び治療家として働いています。治療のこと、クルーズのこと、食べ物のこと。色々綴っていこうと思います。

経験の中に自分の言葉がある

人の肩書きで自分を魅せる人からの続き(http://acupuncturistontheship.hatenablog.com/entry/2015/10/10/185222)

正直に告白しますと。。。
船で働き始めた頃は、患者さんにその手の類の話をよくしていたように思います。

日本の治療院で働いていた時、経営者である先生がいて、私は修行の身であり、学生の時から働いていました。
そのため患者さんは私がどういう身分であったのかを知っているので、私は自分を大きく魅せる必要もなく、等身大で、また自分の学んだことや経験を話していました。

しかし船では鍼師は私一人。ドクターの次に医療のことは知っているという立場。
日本人ということもあり、何かやってくれそうという期待感がすでにあります汗
スパでも困ったことがあればとりあえず鍼を勧めてみようと言う雰囲気があります。嬉しい限りです。

そんな中で、「これこれを診たことはあるか?」、「この症状は何日ぐらいで治したか?」などなど、ゲストやクルーから色々質問されます。

そして「治したことがない、診たことがない」と言うと、患者さんは勿論来てくれません。1週間という期間しか滞在しないのに、どうしてそんな人に診てもらいたいと思うでしょうか。
なので、「よくできたこともあれば、できなかったこともある。」など、お茶を濁した説明をしていました。冷や汗をかきながら話していたので、ばれていたようにも思いますが。
(実際今と比べると、船に乗りたてのころはよく汗をかいていました。よくタオルを交換していたので。。。)

そんなスリリングな経験を毎週積んでいくと、度胸がつきます笑
以前にある先輩の先生から、「自信はついた?」と聞かれたことがあり、その時に「自信はまだないですが、度胸はつきました。」と答えたの今でも覚えています。


話を、本題に戻します。
人の肩書きで自分を魅せる人、について。

経験を積んでいくと何ができるかといえば、その経験に基づいた自分の話が出来るようになります。
つまり、人の肩書きにのっかって自分を魅せる必要がなくなるわけです。

そしてまた、そうした中で得た私の経験を伝えるのは自分の仕事だと思います。
人は一度自分の体に問題が生じると不安になります。
今までうまくいっていたものが突然いかなくなるわけですから。
でもそれは、私にとってはなんでもなかったりする。
患者さんは自分の身体しか知らない一方で、私は沢山知っています。

地震を経験したことがない人とある人では、きっと地震中、地震後の対応が違うでしょう。そんな感じです。

ですので、肩書きではない人の素の部分を話して、患者さんを安心させてあげなければなりません。
勿論、毎回うまくいきませんが。。。

そういうことを繰り返すと、肩書き、まして人の肩書きに興味がなくなっていきます。その人が生きてきて味わった、生で話す言葉には味があります。肩書きの話には味がありません。

私には私なりの経験がある。
これを今後も伝え続け、患者さんと真摯に向き合いたいと思います。


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ギリシャのとある湖からの1枚。いつか私にも光が射してもっと人をよくすることができるといいなぁ。