英国の、船上の鍼灸師の日記 the diary of acupuncturist on Great Britain, cruise ship

2012年から客船で鍼師として働いていましたが、2017年からロンドンで再び治療家として働いています。治療のこと、クルーズのこと、食べ物のこと。色々綴っていこうと思います。

治療に対する考え方 the way of thinking about treatment

「身体が弱い」の考察。横隔膜と肝臓、胃、食道がどう繋がっているんだろう。

お題「マイブーム」 施術家にとって施術を考えるのは、マイブームという名のライフワークですが、前回に続いてお腹について考えます。 横隔膜の動きを撮影した動画があります。 www.youtube.com これを見ると、吐く動き、つまり、横隔膜が縮まる(=上に上が…

内蔵の輪郭

最近施術をしていて、内蔵の輪郭が気になっています。 というより、以前からそういう変化が生じていたのに、気づいていなかったというのが正しいんだと思う。 僕の仕事が鍼や指を通して、身体に圧を加え調整していく仕事なら、どこかに偏っていた圧を解放す…

方法論より原理原則

お題「マイブーム」 人を施療し、改善が見込めるようにする。 その意味ってすごく広い。肉体的なものもあれば、精神的なもの、神経的なもの筋肉系、はたまたそれ以外。。。 それは複合的なものでその中でも得意なものお、自分が好きなものを選んで仕事にして…

精神的なものが精神を隠してしまう

お題「最近知った言葉」 この言葉をご存知でしょうか。 MixBというサイトでロンドンで本を引き取った時に、河合隼雄さんの対談集「こころの声を聴く」を偶然いただいて、その中で白州正子さんと河合隼雄さんの対談の中で出てきた言葉です。 白州さんの「いま…

指もみと飲尿と安心すること

仕事柄、教科書をみながら自分の身体に触れて色々と確認します。 その時不思議に思うのが、自分の身体に自分が触れているとなぜか落ち着くということです。 例えば自律神経の体操としてよく言われる指もみ。 指もみ 健康法 - Google 検索 指もみ、健康法と入…

20年後の「8月31日の夜に」 その2。2歳の僕は何を僕に言いたいんだろう。

お題「夏休みの思い出」 前回の最後に、2歳の時の自分の写真を載せました。 あの写真を見て、彼は僕に何を言いたいんだろうとずっと考えていました。 考えてもらちがあかず、その後、母親をお茶に誘い自分の幼少期がどういう風に見えていたのかを聞いてみよ…

20年後の「8月31日の夜に」

お題「夏休みの思い出」 「どうしていつでも緊張がとれないんだろう」 日本に戻ってしばらく立ちますが、先日参加したセミナーで自分の手の緊張がとれず、セミナーでのテーマだった「骨膜に触れる」ということがうまく出来ずに終わりました。 それが僕の施術…

鶏を殺める2 死が食に変わる。デジタルではなくアナログの生→死を

前回は鶏の首に包丁を入れ、殺めたところまで書きました。 前回も最後に書きましたが、屠殺を行う前に包丁を研ぐ人の気持ちが今思い返すとわかる気がします。 「いのちの食べかた」なんかを観ると、そういう価値観とは全く違う、車にガソリンを入れるように…

鶏を殺める1 生が死に、物体に変わる

前回は自給自足をする友達のもとで鹿を捌く経験をさせてもらったことを書きました。 今回は鶏です。 鹿よりも鶏を入手することは田舎の方では簡単というか、家畜として飼っている方が多く、鹿を持ってきてくれた方に鶏を譲ってもらえないか相談したところ、…

ハントされた動物を捌く〜自給自足の友人のもとで〜

今週のお題「ゲームの思い出」 イギリスでは猟で仕留めた動物の肉を「ゲームミート」よ呼ぶので、この記事を書くことにしました。 先日まで自給自足をする友人の元で1週間ほど居候をしていました。 その中では色々なことがったのですが、思いついた時に、ポ…

「細胞は入れ替わる、身体には知らないことがある」からの「『今が幸せならいいんじゃないか再考』と万引き家族」

お題「これって私だけ?」 30代に入って、同世代と話すトピックの1つに「子供は欲しいか。」ということがあります。特に女性は35歳を過ぎると卵子の状態も悪く、また数も減るため、その現実に向き合わないといけません。 僕はあまり子供が欲しくありま…

共感することの振れ幅

先日、患者さんから「患者は共感して欲しいものだ。」というアドバイスをいただきました。 例えば、「足むくんでますねー。」とか、「腰凝ってますねー。」などなど。 こんなすごくベーシックな共感もあれば、何回も来てくださってる方には「今回は特にここ…

「今、ここ」はどこのこと。感情の中にはないのかな。

私には瞑想のサイクルがあって、今瞑想ないし、自分への心を空っぽにしたくなっているサイクルが来ています。 私が以前参加していた瞑想会では、自分をメタ認知する「気付き」を入れていって自分を客観的に見ていくことを瞑想の目的としていました。 「イラ…

AIは私たちをペット化するか

以前に書いたこともあるかと思いますが、私は患者さんに接する時、この方の身体を機械的に診るか有機的に診るかをまず考えます。 「機械的に診る」というのは身体を建物(破れないテントが一番近いでしょうか)と捉え、どこがどう引っ張り合いっこしてるから、…

鍼灸業界のアイドル

今週のお題「私のアイドル」 このお題をみて改めて考えると、鍼灸ないし治療の業界の人にとって、特にキャリアの初めに「自分のアイドル」となれる人が見つかるかはとても大切なことだなと思いました。 というのも、この業界で絶対と言ってもいいぐらいぶつ…

圧に対して思っていることをちらほらと。

最近、治療をしている中で「圧」についてよく考えます。 陰圧や陽圧などの話は他のサイトに譲るとして、圧はある空間が縮まったり、拡がったりする時に、その空間を構成している境界線にかかる力と言えます。 ーーーーーーーーーーーー 職場の人と不妊治療に…

「笑いは緊張と緩和だ」とは明石家さんまさんの言葉みたいだけど、それは呼吸や人がブログを書いたりするのと同じなのかな

「笑いは緊張と緩和だ」と明石家さんまさんが言っていたみたいという誰かの言葉をずっと覚えていました。 本当にさんまさんが言ってたのかなと思って検索をかけてみたら、さんまさんも含め色々な方がそのように思っておられるんですね。 知らなかった。 笑い…

治療家は僧侶と医者の間にいる その1

私が初めて本格的に東洋医学の勉強をさせてもらったのは、鍼灸の学校に入る前に会社員をやっていた時です。 入学を夏に決め(会社には年末に言った記憶があるので、その頃は会社員を続けていました)、平日は東洋医学の辞書を片手に東洋医学の入門書を読んで…

人に触れること 侵害刺激のない触診2

「脳から身体、内臓まで通じる侵害刺激のない触診の真髄」 セミナーが始まり、まず先生がデモンストレーションされたのが、デモの患者が寝ていて、術者が3mほど離れたところから立ちます。 それで、検者が足を持ち力をいれて挙げられるかというテスト(=筋力…

人に触れること 侵害刺激のない触診1

日本に居た時に書き留めていた内容をアップしておこうと思います。 -------------- 久しぶりに遠方までセミナーに参加してきました。 タイトルは「脳から身体、内臓まで通じる侵害刺激のない触診の真髄」です。 初めは予定の都合で行けなかったのですが、ス…

イギリスと船上の患者さんの違い その2

久しぶりに治療という場に復帰して思うことの続きです。 私は三菱重工に居た時に精神をストレスから病んでしまっている時に、鍼灸に助けてもらったという思いが強くあります。そのため、ストレスで気がめいっていたり、その手前の人の気持ちが人よりはわかる…

イギリスと船上の患者さんの違い その1

イギリスに来てから10日間ほど経ちますが、色々な手続きをしたりとばたばたしています。私が働いているクリニック(イギリスでそう呼んでいいのかわかりませんが)は日本人が多く、日本人しか診ない日もあり、また、スタッフも日本人のかたばかり(一人こ…

治療感想メモ 2日目

ある治療院で治療を受けた時の私のメモ。 当日と翌日の計2回をわけて載せます。今回の掲載は2回目。 ちなみに、主訴は以下の通りです。 1.左脛の知覚鈍麻 2.左肩甲骨内下側部の知覚鈍麻 3.集中力が散漫 4.記憶力が悪い 前日と比べ、1と2はましになったもの…

経絡の存在を信じるか2

「胃の調子を改善させて欲しい。」 勿論、その病態は多様です。胃潰瘍もあれば、逆流性食堂炎、胃下垂などなど。 それらの問題に対し、脈診や問診、触診などを用いて東洋医学的な診断を下し、使う経穴やその経穴に用いる手技(鍼を刺すという行為にも様々なバ…

治療感想メモ 1日目

ある治療院で治療を受けた時の私のメモ。 気になったことは言われたことなども項目に分けて書きました。 当日と翌日の計2回をわけて載せます。 ちなみに、主訴は以下の通りです。 1.左脛の知覚鈍麻 2.左肩甲骨内下側部の知覚鈍麻 3.集中力が散漫 4.記憶力が…

経絡の存在を信じるか

経絡の存在を信じるか この問いにどう考えるかと言うのは、鍼灸師もとい治療家の治療スタンスを知るよい尺度になるのではないかと思っています。 例えば、治療を受けるにあたってその質問をし、回答に納得したら施術してもらうのは、自分と施術家との相性を…

私なりの傾聴の仕方 初めて人の役に立てたかもしれない その3

どうすれば人の役に表面的な意味ではなく立てるのか。 前回は、「共感するとは、自分を抑制すること」なら、共感することへの長期的な落とし穴?について考えました。 私は近しい間柄の人に共感するのが苦手であり、それはつまり、自分を抑制することが苦手…

共感と認知症への私見 初めて人の役に立てたのかもしれない その2 寄り道

「今まで人の役に立てたことってある?」 これを私に尋ねてきた人は、「どうすれば役に立てるのか?」という私からの質問にこう答えました。 「共感する」ことだと。 相手の立場に立ってみる。 よく言われる言葉です。 なんでも明らかにするのは正しいことで…

共感と認知症への私見 初めて人の役に立てたのかもしれない その2 寄り道

「今まで人の役に立てたことってある?」 これを私に尋ねてきた人は、「どうすれば役に立てるのか?」という私からの質問にこう答えました。 「共感する」ことだと。 相手の立場に立ってみる。 よく言われる言葉です。 なんでも明らかにするのは正しいことで…

初めて人の役に立てたのかもしれない 1

「今まで人の役に立てたことってある?」 親しい人に聞かれました。 皆さんはありますか?人の役に立ったこと。 道を譲ってあげた。 ハンカチを貸してあげた。 などなど。 「役に立つ」の幅はとてもひろいです。 でも、その方がその質問をした文脈はそういっ…