英国の、船上の鍼灸師の日記 the diary of acupuncturist on Great Britain, cruise ship

2012年から客船で鍼師として働いていましたが、2017年からロンドンで治療家として働いています。治療のこと、クルーズのこと、食べ物のこと。色々綴っていこうと思います。

つれづれ general

身体の畑を耕す

治療をどういう形で進めていくか。 それは患者さんがどういう治療を求めていくかによるのだと思います。 例えば、ギックリ腰や寝違えの時に来られる方は、痛い時にだけ来てそれ以外は来られない。 とても凝ったなぁと感じた時に来られる方もいれば、定期的に…

「ツボがある本当の意味」刊行に寄せて。整動鍼との出会い

鍼灸師になって1年目に僕はクルーズ船で働き始めました。 3年間の学生生活で鍼灸学や解剖学、生理学などの基礎を修了して国家試験をパスし、晴れて人前で鍼灸師、あん摩マッサージ指圧師として名乗れるようになって8ヶ月後の12月。 僕はカリフォルニア…

ガンマンとの決闘と手の腱鞘炎と女性美容師と

迷って迷って迷って、探して探して、決断して打つ。 鍼治療ってこの繰り返しです。 たかが肩こり、されど肩こり。 「こんな腰痛すぐに治せるな。」と思ったのに、全然良くならないぞ。。。 こんな日々を繰り返しながら、「どうしてここに痛みがあって、痛む…

時々やってくる試練

施術を365日していると、時々試練というようなものがやってきます。 日本にいるときに受けたセミナーで講師の方が言っておられた言葉があります。 「ある良くなった患者さんが、紹介してくださった患者さんの症状が良くなった症状より難しいことがある。…

自分の感覚で施術をすること

患者さんの身体および症状があるなら、それがどうすればよくなるかは「何故それが起きたか」がわかればよくなるはず。 それはどういう尺度であっても(理屈では)いいはずです。つまり、脈の診断を基にしたものとか、椎骨のズレを基にしたもにとか、などなど。…

三菱重工をやめて、鍼灸師になって、クルーズで働いて、ロンドンで働けたことをどう考えよう。その2

その1の続きです。 http://acupuncturistontheship.hatenablog.com/entry/2019/03/08/032931 前の記事を見ると、時々同じことを考えてるなと思います。自分をやっぱり運命論者だと思ってるんだろうな。。。 で、運命論者ってどういう意味だろうと思ったら、…

三菱重工をやめて、鍼灸師になって、クルーズで働いて、ロンドンで働けたことをどう考えよう。その1

昔はとても簡単だったそうですが、今はとても難しくなった、イギリスで働くということ。 僕は2012年にクルーズ船で働き始めましたが、その時28歳。海外で働いてみたいということでイギリスのワーホリに申し込んだもののあえなく落選したので(イギリスは他の…

メモ。どうして、右、左、腰、首に痛みが出るのかの試案と私案。

お題「マイブーム」 左右差というのが最近気になっています。 どうして右が痛い人もいれば左が痛い人もいるのだろう。手が痛い人もいれば足が、肩が腰が痛くなる人がいるのだろうか。 それがわかれば苦労しません汗 でも、原因があるはずです。 今回はノープ…

気管支喘息に手首のツボが効く!という考察

この症状にこのツボが効きます! という謳い文句を、仕事柄よく耳にするというか、どうしても治療業界、しかも鍼の業界に携わっているとピックアップしてしまいます。 どの業界でもよく使われる言葉なんてのがあり、IT業界にいる人は違う謳い文句をよく耳に…

自分の感覚と客観視と

文章っていろいろな書き方があると思うんですが、最近気になったのが、自分の感覚を伝えるか、状況を客観視して伝えるかということです。 例えば怪我をして血が出たときに、自分の感覚で書けば「道端で転んで怪我をした。膝からどろどろとした赤いものが流れ…

内蔵の輪郭

最近施術をしていて、内蔵の輪郭が気になっています。 というより、以前からそういう変化が生じていたのに、気づいていなかったというのが正しいんだと思う。 僕の仕事が鍼や指を通して、身体に圧を加え調整していく仕事なら、どこかに偏っていた圧を解放す…

精神的なものが精神を隠してしまう

お題「最近知った言葉」 この言葉をご存知でしょうか。 MixBというサイトでロンドンで本を引き取った時に、河合隼雄さんの対談集「こころの声を聴く」を偶然いただいて、その中で白州正子さんと河合隼雄さんの対談の中で出てきた言葉です。 白州さんの「いま…

指もみと飲尿と安心すること

仕事柄、教科書をみながら自分の身体に触れて色々と確認します。 その時不思議に思うのが、自分の身体に自分が触れているとなぜか落ち着くということです。 例えば自律神経の体操としてよく言われる指もみ。 指もみ 健康法 - Google 検索 指もみ、健康法と入…

20年後の「8月31日の夜に」 その2。2歳の僕は何を僕に言いたいんだろう。

お題「夏休みの思い出」 前回の最後に、2歳の時の自分の写真を載せました。 あの写真を見て、彼は僕に何を言いたいんだろうとずっと考えていました。 考えてもらちがあかず、その後、母親をお茶に誘い自分の幼少期がどういう風に見えていたのかを聞いてみよ…

20年後の「8月31日の夜に」

お題「夏休みの思い出」 「どうしていつでも緊張がとれないんだろう」 日本に戻ってしばらく立ちますが、先日参加したセミナーで自分の手の緊張がとれず、セミナーでのテーマだった「骨膜に触れる」ということがうまく出来ずに終わりました。 それが僕の施術…

鶏を殺める2 死が食に変わる。デジタルではなくアナログの生→死を

前回は鶏の首に包丁を入れ、殺めたところまで書きました。 前回も最後に書きましたが、屠殺を行う前に包丁を研ぐ人の気持ちが今思い返すとわかる気がします。 「いのちの食べかた」なんかを観ると、そういう価値観とは全く違う、車にガソリンを入れるように…

鶏を殺める1 生が死に、物体に変わる

前回は自給自足をする友達のもとで鹿を捌く経験をさせてもらったことを書きました。 今回は鶏です。 鹿よりも鶏を入手することは田舎の方では簡単というか、家畜として飼っている方が多く、鹿を持ってきてくれた方に鶏を譲ってもらえないか相談したところ、…

ハントされた動物を捌く〜自給自足の友人のもとで〜

今週のお題「ゲームの思い出」 イギリスでは猟で仕留めた動物の肉を「ゲームミート」よ呼ぶので、この記事を書くことにしました。 先日まで自給自足をする友人の元で1週間ほど居候をしていました。 その中では色々なことがったのですが、思いついた時に、ポ…

「細胞は入れ替わる、身体には知らないことがある」からの「『今が幸せならいいんじゃないか再考』と万引き家族」

お題「これって私だけ?」 30代に入って、同世代と話すトピックの1つに「子供は欲しいか。」ということがあります。特に女性は35歳を過ぎると卵子の状態も悪く、また数も減るため、その現実に向き合わないといけません。 僕はあまり子供が欲しくありま…

今と昔の感性にどんな違いがあるのだろうら。1万年の旅路を読んで

一万年の旅路という本をご存知ですか? イロコイ族という実際に存在するネイティヴ・アメリカンが一万年前にアジアからベーリング陸橋を渡りアメリカ大陸に渡ってきて、いかに五大湖のほとりに定住するかまでを綴った口承史です。 みんなのレビュー:一万年…

「世界は広いかもしれないけど、世間は狭い」とおざけんの天使たちのシーンの一節

お題「好きな作家」 「世間って狭い」 自分の知っている人が僕の知ってる人の知り合いだった時に、この言葉使ったりしたことってありませんか? 先日も大学時代の友人(=A)がイギリスで修士を取りに1年間来ているのですが、僕の患者さんがその友人の知り…

自分が匂うブログを書きたいな

お題「ブログをはじめたきっかけ」 なんでブログを始めたのだろう。最近お題をもとに、自分の記憶を思い返すのが楽しい。 ブログを始めたのは鍼灸師になって開業する時に、自分の考えを残しておくことが開業したときの財産になるからというものでした。まあ…

インプットとアウトプットのバランス

ある患者さんに聞かれたことがあります。「どうしたら頭がよくなりますか?」 僕だって知りたいです。。。 とは言え、「どうでしょうねー」とお茶を濁すのも自分の性分に合わないというか悔しいので、考えてみました。 「頭がいい」を具体的にどういうものだ…

ロンドン在住1年を振り返って思うこと

ロンドン在住から明日で1年と1ヶ月経ちます。 結婚記念日や誕生日じゃないですが、長い間住むということになった時、初めてその国に降り立った日のことって案外覚えているものです。 初めて行ったカフェとか。 この1年、日本にいるときと比べて何がどう変…

治療院で暇になると考えてしまうこと

私が働いているクリニックがロンドンにあるものの、日本人がメインのクリニックだからでしょうか、年末年始が暇になります。 日本だと年末年始の休みの時に治療院に行っとこうとかとなるかもしれません。 ですが、海外の治療院で働いている場合、どうしても…

イギリスのクリスマスと距離感

イギリスで初めてのクリスマスを迎えました。 他の西欧諸国では知りませんが、イギリスの場合、クリスマスが一年で一番盛り上がりをみせると言っても過言ではありません。 初めて聞いた時は本当に驚きましたが、25日は全ての交通機関が止まります。 殆どの店…

俳優は「人にあらず人を憂う」の意味を考える。ある俳優さんの施術を通して

ご縁がつながり、うちのクリニックにある俳優さんの出張依頼があり私が行くことになりました。 その方には合計4回施術させていただいたのですが、診せてもらったのが舞台の本番1日前、本番直前の楽屋、2日目の午前中、3日目(最終日)終了後の夜でした。ちなみ…

昔からある音と今ある音とは美しいハーモライズが出来るのか

最近、コンサートをよく聞きに行っています。 Julius Eastman Memorial Dinner | Barbican Susheela Raman: Sacred Imaginations 1 | Barbican 特に先週行ってきたSacred Imaginationsはとてもよく、私にとっては、日本で観たモーリス・ベジャールのボレロ以…

発展途上国へ行った時にみんなが思うことは失礼にあたるのか

最近、忙しくてブログが更新出来ていません。 去年、有機食料品店で働いていた時は、4日に一度と決めて、出勤前に10−15分前に職場について、近くの橋の下で、ガラケーに文章をがががっと詰め込んで、ブログの送信アドレスに送ってました。 昨日、東京ポ…

土地に慣れていく

ロンドンに来て半年が経とうとしています。 半年、こちらの食べ物を食べ・排泄し、空気を吸い・吐き・染み込み、景色を見て・見られ、土地に馴染んできました。 すると、はじめは違和感を感じていたものが、感じなくなり、はたまた違和感を感じていたことを…