英国の、船上の鍼灸師の日記 the diary of acupuncturist on Great Britain, cruise ship

2012年から客船で鍼師として働いていましたが、2017年からロンドンで治療家として働いています。治療のこと、クルーズのこと、食べ物のこと。色々綴っていこうと思います。

時々やってくる試練

施術を365日していると、時々試練というようなものがやってきます。 日本にいるときに受けたセミナーで講師の方が言っておられた言葉があります。 「ある良くなった患者さんが、紹介してくださった患者さんの症状が良くなった症状より難しいことがある。…

自分の感覚で施術をすること

患者さんの身体および症状があるなら、それがどうすればよくなるかは「何故それが起きたか」がわかればよくなるはず。 それはどういう尺度であっても(理屈では)いいはずです。つまり、脈の診断を基にしたものとか、椎骨のズレを基にしたもにとか、などなど。…

三菱重工をやめて、鍼灸師になって、クルーズで働いて、ロンドンで働けたことをどう考えよう。その2

その1の続きです。 http://acupuncturistontheship.hatenablog.com/entry/2019/03/08/032931 前の記事を見ると、時々同じことを考えてるなと思います。自分をやっぱり運命論者だと思ってるんだろうな。。。 で、運命論者ってどういう意味だろうと思ったら、…

三菱重工をやめて、鍼灸師になって、クルーズで働いて、ロンドンで働けたことをどう考えよう。その1

昔はとても簡単だったそうですが、今はとても難しくなった、イギリスで働くということ。 僕は2012年にクルーズ船で働き始めましたが、その時28歳。海外で働いてみたいということでイギリスのワーホリに申し込んだもののあえなく落選したので(イギリスは他の…

メモ。どうして、右、左、腰、首に痛みが出るのかの試案と私案。

お題「マイブーム」 左右差というのが最近気になっています。 どうして右が痛い人もいれば左が痛い人もいるのだろう。手が痛い人もいれば足が、肩が腰が痛くなる人がいるのだろうか。 それがわかれば苦労しません汗 でも、原因があるはずです。 今回はノープ…

自分の施術の特徴の考察 〜関節の詰まりと隙間を見つける〜

ご贔屓にしていただいている患者さんから僕の施術の特徴をうまく表現していただきました。 「先生は関節の隙間を見つけて施術するのが得意ですね。」 自分の施術の強みって何なんだろうとずっと考えていました。 人より強く揉むことに抵抗はない(強く揉むの…

気管支喘息に手首のツボが効く!という考察

この症状にこのツボが効きます! という謳い文句を、仕事柄よく耳にするというか、どうしても治療業界、しかも鍼の業界に携わっているとピックアップしてしまいます。 どの業界でもよく使われる言葉なんてのがあり、IT業界にいる人は違う謳い文句をよく耳に…

自分の感覚と客観視と

文章っていろいろな書き方があると思うんですが、最近気になったのが、自分の感覚を伝えるか、状況を客観視して伝えるかということです。 例えば怪我をして血が出たときに、自分の感覚で書けば「道端で転んで怪我をした。膝からどろどろとした赤いものが流れ…

「身体が弱い」の考察。横隔膜と肝臓、胃、食道がどう繋がっているんだろう。

お題「マイブーム」 施術家にとって施術を考えるのは、マイブームという名のライフワークですが、前回に続いてお腹について考えます。 横隔膜の動きを撮影した動画があります。 www.youtube.com これを見ると、吐く動き、つまり、横隔膜が縮まる(=上に上が…

内蔵の輪郭

最近施術をしていて、内蔵の輪郭が気になっています。 というより、以前からそういう変化が生じていたのに、気づいていなかったというのが正しいんだと思う。 僕の仕事が鍼や指を通して、身体に圧を加え調整していく仕事なら、どこかに偏っていた圧を解放す…

方法論より原理原則

お題「マイブーム」 人を施療し、改善が見込めるようにする。 その意味ってすごく広い。肉体的なものもあれば、精神的なもの、神経的なもの筋肉系、はたまたそれ以外。。。 それは複合的なものでその中でも得意なものお、自分が好きなものを選んで仕事にして…

精神的なものが精神を隠してしまう

お題「最近知った言葉」 この言葉をご存知でしょうか。 MixBというサイトでロンドンで本を引き取った時に、河合隼雄さんの対談集「こころの声を聴く」を偶然いただいて、その中で白州正子さんと河合隼雄さんの対談の中で出てきた言葉です。 白州さんの「いま…

指もみと飲尿と安心すること

仕事柄、教科書をみながら自分の身体に触れて色々と確認します。 その時不思議に思うのが、自分の身体に自分が触れているとなぜか落ち着くということです。 例えば自律神経の体操としてよく言われる指もみ。 指もみ 健康法 - Google 検索 指もみ、健康法と入…

20年後の「8月31日の夜に」 その2。2歳の僕は何を僕に言いたいんだろう。

お題「夏休みの思い出」 前回の最後に、2歳の時の自分の写真を載せました。 あの写真を見て、彼は僕に何を言いたいんだろうとずっと考えていました。 考えてもらちがあかず、その後、母親をお茶に誘い自分の幼少期がどういう風に見えていたのかを聞いてみよ…

20年後の「8月31日の夜に」

お題「夏休みの思い出」 「どうしていつでも緊張がとれないんだろう」 日本に戻ってしばらく立ちますが、先日参加したセミナーで自分の手の緊張がとれず、セミナーでのテーマだった「骨膜に触れる」ということがうまく出来ずに終わりました。 それが僕の施術…

豊島の内藤礼さん。「感情が生まれる前の何か」と「生命や物質に宿るおぼろげ」という治療の原点

お題「もう一度行きたい場所」 豊島をご存知でしょうか? 知らない方も直島なら聞いたことがあるかもしれません。 http://benesse-artsite.jp/art/teshima-artmuseum.html 2つとも瀬戸内海に浮かぶ島で、アートと建築と環境が1つとなる場所を目指した場所で…

鶏を殺める2 死が食に変わる。デジタルではなくアナログの生→死を

前回は鶏の首に包丁を入れ、殺めたところまで書きました。 前回も最後に書きましたが、屠殺を行う前に包丁を研ぐ人の気持ちが今思い返すとわかる気がします。 「いのちの食べかた」なんかを観ると、そういう価値観とは全く違う、車にガソリンを入れるように…

鶏を殺める1 生が死に、物体に変わる

前回は自給自足をする友達のもとで鹿を捌く経験をさせてもらったことを書きました。 今回は鶏です。 鹿よりも鶏を入手することは田舎の方では簡単というか、家畜として飼っている方が多く、鹿を持ってきてくれた方に鶏を譲ってもらえないか相談したところ、…

ハントされた動物を捌く〜自給自足の友人のもとで〜

今週のお題「ゲームの思い出」 イギリスでは猟で仕留めた動物の肉を「ゲームミート」よ呼ぶので、この記事を書くことにしました。 先日まで自給自足をする友人の元で1週間ほど居候をしていました。 その中では色々なことがったのですが、思いついた時に、ポ…

「細胞は入れ替わる、身体には知らないことがある」からの「『今が幸せならいいんじゃないか再考』と万引き家族」

お題「これって私だけ?」 30代に入って、同世代と話すトピックの1つに「子供は欲しいか。」ということがあります。特に女性は35歳を過ぎると卵子の状態も悪く、また数も減るため、その現実に向き合わないといけません。 僕はあまり子供が欲しくありま…

今と昔の感性にどんな違いがあるのだろうら。1万年の旅路を読んで

一万年の旅路という本をご存知ですか? イロコイ族という実際に存在するネイティヴ・アメリカンが一万年前にアジアからベーリング陸橋を渡りアメリカ大陸に渡ってきて、いかに五大湖のほとりに定住するかまでを綴った口承史です。 みんなのレビュー:一万年…

「世界は広いかもしれないけど、世間は狭い」とおざけんの天使たちのシーンの一節

お題「好きな作家」 「世間って狭い」 自分の知っている人が僕の知ってる人の知り合いだった時に、この言葉使ったりしたことってありませんか? 先日も大学時代の友人(=A)がイギリスで修士を取りに1年間来ているのですが、僕の患者さんがその友人の知り…

自分が匂うブログを書きたいな

お題「ブログをはじめたきっかけ」 なんでブログを始めたのだろう。最近お題をもとに、自分の記憶を思い返すのが楽しい。 ブログを始めたのは鍼灸師になって開業する時に、自分の考えを残しておくことが開業したときの財産になるからというものでした。まあ…

ウェールズ最高峰スノードンへ

お題「キャンプ」 先週、ウェールズにあるスノードン山へ行ってきました。スノードン山 - Wikipedia 登山は去年のベンネヴィスに引き続き2回目。 ウェールズ最高峰なのに1085mとかなりの低山でしたが、景観はよく、楽しんできました。 ベンネヴィスの時もそ…

インプットとアウトプットのバランス

ある患者さんに聞かれたことがあります。「どうしたら頭がよくなりますか?」 僕だって知りたいです。。。 とは言え、「どうでしょうねー」とお茶を濁すのも自分の性分に合わないというか悔しいので、考えてみました。 「頭がいい」を具体的にどういうものだ…

三菱重工を辞めて、鍼灸師になれたのはなぜだろう

大学を卒業して、三菱重工に入社して鍼灸師になりました。 それで、クルーズ船で働いて今、イギリスで働いている。 大学を卒業して12年経ったけど、こんな人生になるなんて思ってもみなかったです。 ブログのテーマで転機とあったので、こういう人生になる…

共感することの振れ幅

先日、患者さんから「患者は共感して欲しいものだ。」というアドバイスをいただきました。 例えば、「足むくんでますねー。」とか、「腰凝ってますねー。」などなど。 こんなすごくベーシックな共感もあれば、何回も来てくださってる方には「今回は特にここ…

「今、ここ」はどこのこと。感情の中にはないのかな。

私には瞑想のサイクルがあって、今瞑想ないし、自分への心を空っぽにしたくなっているサイクルが来ています。 私が以前参加していた瞑想会では、自分をメタ認知する「気付き」を入れていって自分を客観的に見ていくことを瞑想の目的としていました。 「イラ…

ロンドン在住1年を振り返って思うこと

ロンドン在住から明日で1年と1ヶ月経ちます。 結婚記念日や誕生日じゃないですが、長い間住むということになった時、初めてその国に降り立った日のことって案外覚えているものです。 初めて行ったカフェとか。 この1年、日本にいるときと比べて何がどう変…

AIは私たちをペット化するか

以前に書いたこともあるかと思いますが、私は患者さんに接する時、この方の身体を機械的に診るか有機的に診るかをまず考えます。 「機械的に診る」というのは身体を建物(破れないテントが一番近いでしょうか)と捉え、どこがどう引っ張り合いっこしてるから、…