ロンドンの、船上の鍼灸師の日記

2012年から客船で鍼師として働いていましたが、2017年からロンドンで治療家として働いています。治療のこと、クルーズのこと。色々綴っていこうと思います。ウェブサイトはこちら。https://www.junjapaneseacupunctureandshiatsuclinic.com/

幸せだと思える時も、辛いなと思える・思えないぐらいしんどい時も、魔法がかかっていると思えるように。

今週のお題「もしも魔法が使えたら」

 

「魔法が使えたら」なんていう、「たら」は寂しいなぁ。

僕は、誰かが僕に魔法を使っていると思うからです。

 

ロンドンで鍼灸師とマッサージ師の仕事をしている今であったり、カリブ海に浮かびながら、地中海に浮かびながら、はたまた大西洋のど真ん中で浮かびながらであったり、患者さんの背中に鍼を打つ時に、「どうしてこの人に、今、鍼をしているんだろう。と不意に冷静になることがあります。

 

「マッサージならまだ可能性は低いかもしれないけれど、鍼を受けに来た人とは、その人と自分はどこかで会うことになっていたと思う。」とは、僕の先生の言葉です。

もう二度とその人に鍼を打つことはないのかもしれませんが、その人に私の鍼や施術を受けたということが記憶に残るように出来たらなと思います。

偶然を偶然と思うか思わないか、それをもう必然や運命と思っちゃうかは、本人次第で、運命なんて思えば、誰かが僕に魔法をかけたなと思う以外に、先の展開がありません笑

 

人の身体もそう思っていますが、人生も点・線・面で捉えられると思います。

点では何でもないことが、線となり、面となる。その線であったり、面であったことに気付いた時に、もしかしたら私たちはその出来事に対して「魔法がかかったみたいだ」と思うのかもしれません。

 

会社員になるまで鍼なんて受けたことがなかったのに、不意に鍼灸師になると決め、船で働くことになり、今イギリスで働いている。

会社員時代、その当時は毎日辛かったなぁと思い出すのもしんどくなりますが、その時代があったからこそ、今がある。辛い時は現状をみれませんが、その霧が晴れれば、振り返ることが出来る。

なんだったら、中学生や高校生の時にずっと考えていたことでさえ、今やっている仕事に繋がっているなと思うこともしばしばです。

平凡な言葉でしかないけれど、言われ慣れている言葉はだからこそ、普遍性があるんだろう。

 

魔法であるなら、魔法がいつかとける日が来るのかな。

でも毎日、なんで今この出来事が私に起こっているのかを考えれば、生活は魔法にずっとかかっているのかもなと思います。

 

僕への魔法は死ぬまでとけないものであって欲しいなぁ。

それを多分また来る、厄年的なものが来ても覚えて冷静になれますように。

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会えないと思ってたら会えた

人の縁の繋がり方って本当に不思議だなと思います。

 

こちらがこの人と気が合いそうと思って、思い切って声をかけても、あちらは何も思ってなかったり、そのまた逆もしかりなわけで。

 

船で治療をして、その時はイギリスで働くなんて思ってもいなかったのに、とりあえず番号やメールアドレスを交換した人がいます。

何人かはイギリス人だったのですが、5ヶ月ほどたって、もう会えた人もいれば、会おう会おうと言って、会えない人もいます。

 

そのうちの1人とは、メールで時々やり取りをしていて、「会えたらいいね」ととりとめのない会話の度にしていました。

「よかったら電話してきて。」と不意にメールに書いてきたので、心配になってメールを送ったり、電話をかけても応答がないことが多いので、少しイライラしながら、でも、お父さんを亡くした悲しみや彼女自身の状態を考えると、そこまで気が回らないのだろうと、頭に留めつつ、そのままにしていました。

 

ところが先日、私が送ったメールに対して返信があり、「明日所用でロンドンに行く。」という内容が書かれてあり、ちょうどその日は私は休みで用事もなかった。

 

これはもう会うしかないと急きょ会うことになり、エロスの像の近くで2時間ぐらい話をしました。

それまたメールと同じようなとりとめの内容で、でも、数年ぶりにみた彼女は思ったより、元気そうで、心の芯がくたっていないかと心配だったのですが、全然そうではありませんでした。

 

もう今は閉じてしまった、私が初めてこの鍼灸の世界を知ることになった、ある先生のブログに、

 

「人生の半分を過ぎたら、残りの時間は今まで会ってきた人のために使うべきだ。」

という言葉があります。

愛する奥様をなくし、失意の淵にずっと立たれておられた先生。

会ったこともない先生ですが、私はその先生がいたから、この世界に興味を持てたと思っています。

 

この言葉を大切にして、縁があって出会った人との再開を大切にしたいと思います。

 

また会おう、スーザン。

 

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彼女と会ったのは、大西洋横断中でした。

写真は横断中にいったアゾレス諸島での一枚。

 

天気と身体

ロンドンに夏が来た!

と先週・先々週は思っていたのに、今週からまた冬のような身体の芯に届く雨が降ったりして、ロンドンはなかなか登り調子で記憶が上がりません。

 

気温が上がると、血液の循環も実際よくなるからか、精神も巡るからか、比較的ポジティブにふるまえたり、明るくなれたりします。

 

でも、そういうスイッチが入りかけている時にこうして急に寒くなると、うまく表現できないのですが、気付いた時には心と身体が沈んでいます。

というか、沈んでいることに気づきました。

 

ロンドンに長くいる人にそのことを話すと、「天気の移り変わりで気分が変わってるようなら、この国ではやっていけないよ」と、一言。

 

ここにいると、天気に左右されない、強い気持ちを持てるかもしれないと思いました。

 

私は左右されやすい人間なので、一つの修行です。

 

今も晴れてるけど、夜は雨の予定。

自転車で行くか迷うところだ。。。(ちなみに昨日は帰りにかなり降られました汗)

 

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Winchester〜Queen Elizabeth Country Park〜Petersfieldへ その2

前回セブンシスターズへ行った時は、サウスダウンズウェイの東端だったので、最後easbpurneついた時に、winchester 100mileという看板を最後見つけましたが、今回はその逆を歩くので、eastborune 99mileという看板を見つけました。

100 mileのはずなのですが、その看板は見つけられませんでした。1 mileどこに行ったのかな笑

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そして歩き始めました。

グーグルマップによると、行程は8時間半なので、10時間後にとった電車のチケットに乗って帰れるはずだと余裕をもって歩いていました。(あとで、それは間違いだったと気づきます。。。)

 

まるで北海道にいるかのような、牧歌的でなだらかな坂が続く道をひたすら歩きます。

神戸出身の私にとって、坂といえば急なのが当たり前なので、このなだらかな道は気持ちいい一方、違和感もあります。

 

途中に、菜の花が見渡す限り咲いている場所をみつけたりと、本当に牧歌的だなぁと思っていました。

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牧歌的牧歌的と言い過ぎじゃないかと思うかもしれませんが、それもそのはず、"Southdawns way farmed landscape" という看板を何度も見つけたからです。

farmed landscapeってどういう日本語訳かなと思って歩いていたのですが、これこそまさに「牧歌的風景」なのか!と納得して、その看板を見るたびに、牧歌的だよなと心の中で牛のように反芻していました。

 

ちなみに、この牧歌的風景という看板は私にとってはショックで、つまりは山の厳しい自然風景はこのsouthdawns wayではみれないんだなと知ったからです。。。

次回はもうsouthdawnswayは歩かないでおこうと思った瞬間でした。

 

 

そんなことはさておき、牧歌的風景も、さすがにずっと続くとただの牛や羊がいる風景とかしてきます笑

しかも、どこでどう道を間違ったのか、グーグルマップで示されていた場所に時間通りにつかない。

 

帰って調べたらわかったのですが、グーグルマップで示されていたルートはいくつかあり、そこでvia southdawnsway サウスダウンズウェイ経由と示されたルートの時間を参考にして、今回時間を見積もったのですが、それは間違いだったのです。サウスダウンズウェイも使いますが、全てそれというわけではなく、サウスダウンズウェイを使いつつ、最短でQueen Elizabeth County Parkへ着くというルートだったのです。。。

 

お昼を1時過ぎに食べるまでは景色を楽しむ余裕もあったのですが、3時頃を迎え、自分のいまいる位置とゴールとの位置とのざっくりした割合を考えると、このままでは時間通りに着かないことを悟りました。

 

そこからは歩く歩く。

景色を楽しむ余裕は残念ながらほとんどありませんでしたが、唯一、途中にマス釣りをするための池があり、そこは本当に綺麗でした。

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6時を回ってくると、山に囲まれたところでは、日が暮れるもまだ明るいというような状況になってきます。

山道を歩いていると、街灯がないことに気づき、もしこのまま暗くなってしまったら、真っ暗の中を歩かないといけないという焦りが出てきました。

 

早く着かないと!この気持ちになると、火事場のクソじからが出るものですね笑

最後は足がつりかけていましたが、下り坂は軽く走ったりなどして、どうにかどうにか駅に着き、無事に予約していた電車に乗ることができました。

 

 

あーやれやれ。

疲れた。。。

 

 

 

Winchester〜Queen Elizabeth Country Park〜Petersfieldへ その1

 前回に引き続き、サウスダウンズウェイ国立公園を歩いてきました。

サウスダウンズ国立公園(South Downs) | VisitBritain

Discovery Map - South Downs National Park Authority

 

一ヶ月に一度ぐらいはハイキングに行きたいなと思っていたのですが、一ヶ月って案外すぐなんですね笑

今回はどこに行こうかなと思って、ダウンロードしたサウスダウンズウェイ国立公園のガイドマップを色々とみていました。

このガイドにはハイキングの参考時間があるのですが、書かれてある半分ほどの時間で行けたので、今回は少し長めの8時間ぐらいのものにしようと思いました。

参考にしたガイドブックが「電車とバスで行って来れるサウスダウンズウェイ」というもので、有名なポイントは電車やバスで行けますが、それ以外は車以外にアクセスする手段がありません。

そこで、それを参考にして、どのようなルートなら日帰りで帰って来れるか色々調べていました。

 

そこで今回行こうと決めたのが、タイトルにも書いた、「Winchester〜Queen Elizabeth Country Park〜Petersfield」のルートです。

トータルのルートタイムはガイドには書かれていなかったので、グーグルマップを参考にしました。

Google マップ Winchester〜Queen Elizabeth Country Park

Google マップ Queen Elizabeth Country Park〜Petersfield

 

トータルのハイキング時間は8時間ほど。それに2時間を足した10時間ぐらいなら一日で歩けるだろうと思い計画しました。

 

イギリスではまず交通手段を決めることから始めます。

日本と違いこちらは金券ショップというものが列車の場合ありません。そもそも、私鉄というものがない(多分)ので、競争する必要がないからではないでしょうか。

しかし、だからなのか、オフピークだったり、事前に買っておけば値段を安くできたりなど、入念に調べておけば安く行けます。

例えば、前回セブンシスターズへ行った時に、Eastbourneという街からロンドンまで帰ったのですが、何も買わずに窓口でかえば30ポンドぐらい。でも、オフピークのチケットを事前に購入していれば6ポンド。

この差24ポンド。事前に買っておくかどうかだけで外での夕食分ぐらいの違いが出る訳です。

 

なので今回もそんなお得なチケットがないか調べてみたのですが、ない…

いつでも乗れるものとオフピークのもので1ポンドも違いがない。本当に、どういう基準で安いチケットと安くないチケットを売っているのか。不思議でなりません。

 

今回ウィンチェスターへ向かうのは電車だと32ポンド。高いなぁと思い色々調べてみたら、バスが出ていてそれが6ポンド!

所要時間も電車が1時間半に対して、バスが1時間50分とそんなに違いがないので、こちらにしました。

ただ、電車が朝早い時間からあるのに対して、バスが8時出発しかない。

10時から歩き始めて、10時間歩くと、20時頃にピーターズフィールドに着くということで、帰りは20時の電車を予約しました。(バスは残念ながらありませんでした…)

 

 8時のバスにのり、10時前にウィンチェスターへ。

ウィンチェスター (イングランド) - Wikipedia

 

私は全然知らなかったのですが、有名な街なんですね。もっと観光してもいいかなと思ったのですが、いかんせん20時の電車が待っているので、大聖堂だけみてここを後にしました。

ウィンチェスター大聖堂 - Wikipedia

 

ロンドンも綺麗ですが、こういう郊外の大きな街にこそイギリスの本来持っている美しさや国の価値観のようなものが現れるように思いました。

手短に30分ほどでウィンチェスターへ行った気分で味わうプチ観光をして、サウスダウンズウェイへの岐路へ。

 

続きは次回に。

 

 

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セブンシスターズへ。その3 郊外にこそ、その国らしさがあるのか。

その1・2で山に登りたい理由とか色々書きましたが、頭で色々と考えるより、そもそも私はやはり山が好きです。山と言えるほどのものではないですが…

今回は、その行ってきた行程を書きたいと思います。

 

セブンシスターズはイギリス南部ではとても有名なところで、South Downsという国立公園の中にあり、その東端になります。

サウスダウンズ国立公園(South Downs) | VisitBritain

South Downs Way - Wikipedia

 

色々調べた所、そこは2−3時間の行程のところらしく、そんな時間だと半日で終わってしまうなということで、行程を少し伸ばしました。

Google Maps

 アルフリストンというところから2時間ほどあるき、セブンシスターズを横断する、ガイドブックで計6時間ほどのコースにしました。

 

朝、6時半ぐらいの電車にのり、歩き始めます。

イギリスの田園風景をひたすら歩く。

花が咲き、教会が街に寄り添うように在る。

私はどんな土地にも氏神さんというものがあると考えおり、それはイギリスにももちろんいると思っています。

日本だと神社としてそこが祀られていたりするわけですが、イギリスだとそれは教会になるのかもしれません。

でも、教会と神社とではどこか雰囲気が違います。

神社は護られているという印象を受けますが、教会は共に在るという感じがすごくします。有名だったり、大きな教会は別ですが、小さな街のそれはそういう印象を受けます。

 

 

今回私が歩いたのは、サウスダウンズ国立公園内の道を歩く、サウスダウンズウェイ。

その標識を目印に、ただ歩いて行きます。

 

 

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日本で言うと、「里」に近いのでしょうか。牧歌的な雰囲気が漂うところを進みながら、イギリスの春を満喫しました。

 

 

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しばらく歩いて行いると、不意に場所が開けました。

海までたどり着いたのです。

 グーグルマップで調べながら歩いていたので、もうすぐ海なのは知っていたのですが、不意に開けるとやはり気持ちがいいものです。

ちなみに、写真の左奥の方に見えるのがセブンシスターズです。

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この山を下り、ようやくセブンシスターズへ。

日差しがさすからか、絶壁がかすむようにみえ、とても神秘的でした。

ロンドンも東京も大阪もニューヨークも大都市になると、世界中の人が来て、大きな建物がそびえ立ち、経済を回す。

その仕組みから醸し出される雰囲気は、どの街でも根本は同じように思います。

 

でも、田舎に行くと違って来るのかもしれません。その国が土地が本来持つものがにじみ出てくるからではないでしょうか。

もっと、イギリスの色々な空気を吸ってみたい。

そう思えた、セブンシスターズへの1日旅行でした。

 

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セブンシスターズへ。その2 達成感と人生の肯定感

マラソン、筋トレ、山登りに共通するもう一つのもの。

それは、結果が出ることだと思っています。

 

社会人になって、はたまた、社会人の前でも平穏な日々が続いている時に、不意に不安が襲ってくることはありませんか?

「 人生このままでいいのか?」

「何かの役にたっているのか?」

 

などなど。

 

 私は思春期の頃から、周期的にその波がやってきます。

その波が来ている時に、山登りをしたくなるようにも思います。

(前回書いたように、動物的要素を求めている時にも山に登りたくなりますが、 この2つの要素の根本は同じで、自分が積極的に人生を過ごしているか、充実しているかという点だと考えています。)

 

なぜそうしたくなるのか。

それは初めに書いたように、結果が出るからです。

結果が出れば、充実感を私は味わえるからです。

 

その充実感が、仮初めであっても、人生を彩ってくれ、豊かであるように感じさせてくれます。

 

旅に出て世界の多様性に触れた時に、人生が豊かになるように思いませんか。こんな音楽があるんだとか、こんな食べ物があるんだとか。

それに近いような感覚が、そびえ立つ山に向かいただひたすら登り、到達したところから見える景色、そしてそれは、自分の足で登った人にしか見えない景色が拡がった時にあるように思います。

それも一つの多様性と言えそうです。

 

 私が社会人だった時、毎週のように山へ行っていたのもそに反動だったように思います。

自分なりにうまく回そうと思っても、自分の力が及ばないところで自分に責任を持たされたり、上司にずっと怒られてメールを送れなかったりして、自分の中での充実感・何かをやり遂げて感覚は全くと言っていいほどありませんでした。

 

その中で、登れない責任が全て自分のしかかってくる、また、そこに到達した先には、行った者しか知らないご褒美(景色)がある。

そんなわかりやすい関係が、私を一層山登りに向かわせたのだと思います。

 

話をはじめに戻します。

随分と長い前振りでしたが、次回にセブンシスターズについて書きたいと思います。

 

 

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